スーパー、百貨店、コンビニエンスストアの5月の売り上げが出そろった。いずれも前年を下回る状況が続いているが、百貨店では前年同月比2.1%減にまで減少幅が縮小。2年以上続く「前年比マイナス」という長いトンネルを抜け、本格的回復に向かうか、今後に注目が集まりそうだ。

日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア10社の5月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比3.2%減の6,113億円で、12カ月連続の前年割れとなった。

来店客数は、既存店ベースでは10億9,519万人で前年同月比1.0%減(11カ月連続マイナス)、全店ベースでは11億7,262億円で前年同月比1.1%増となっている。消費者の低価格志向もあり、客単価は558.2円(既存店ベース)で同2.3%減(18カ月連続マイナス)と落ち込んでいる。商品別(全店ベース)では、菓子やソフトドリンクなどの「加工食品」が2.7%減、弁当やパンなどの「日配食品」が0.9%減、「非食品」は0.3%減だった。「サービス」は2.0%増。

スーパーの苦戦も長引いている。消費者の低価格指向に加え、中旬以降の天候不順が影響し、売上高は1兆204億円、前年同月比5.3%減(店舗調整後)で、前月の4.9%減から悪化。18カ月連続の前年割れとなった。主力の食料品は、昨年のインフルエンザ重要の反動で、缶詰や袋スナックなどが大きく落ち込んだこともあり、5.8%の大幅減。衣料品は3%減、日用雑貨品や家具・家電などを含む「住関品」は4.7%減、サービスは昨年と同水準だった。

もっとも低迷が長引いている百貨店だが、回復の兆しもみられるようだ。5月の全国百貨店売上高は4,912億円で前年比2.1%減。27カ月連続のマイナスだが、減少率は2008年7月の2.5%以来22カ月ぶりに2%台にとどまった。「ゴールデンウィーク中に好天に恵まれたことや、企業業績の回復など景気持ち直しの傾向がみられたことで消費マインドが改善、初夏物衣料を中心とした季節商材や宝飾品・輸入雑貨などの高額品が好調に推移した」と分析。

また、急伸基調にある外国人売上は前年比5割増となっており、中国人をはじめとする外国人観光客への売上増加に期待が高まっているようだ。外国人観光客にもっとも人気のあった商品は婦人服で、次はハイエンドブランド。3位以下は、婦人服飾雑貨、紳士服・雑貨、化粧品の順となっている。