映画『アウトレイジ』が12日に公開初日を迎え、東京・新宿の新宿ミラノで行われた初日舞台挨拶で、北野武監督、椎名桔平ら"極悪人"たちが一堂に会した。

『アウトレイジ』で監督兼俳優を務めた北野武監督。プロモーションのために「テレビに60本くらい出て、ドンキホーテにポスターも貼りに行った」という

『アウトレイジ』は、ヤクザの世界で男たちが生き残りを賭けて激しい権力闘争を繰り広げる、北野監督7年ぶりのバイオレンス・アクション映画。登場人物全てが悪人という異色作となっており、激しい暴力描写に、5月に開催された第63回カンヌ国際映画祭では賛否両論飛び交う話題作となった。

観客からの大きな拍手に少し照れつつも、「監督の山田洋次です」とジョークで応えた北野監督。「これだけキャリアのある役者さんが揃うと、何も言わなくても勝手にやってくれるんで、楽でしたね(笑)」と撮影を振り、國村隼や三浦友和に「監督からのアドバイスはほとんど無くて、私達は見放されていました」と言われると、「楽屋にマリファナを炊いていたら、皆勝手にやって勝手に帰っていったんだよね」ときわどい冗談も飛び出し、観客を笑わせた。

また、北野自身を除く全員が北野組初参加であることも話題を集めた本作。この日、登壇したキャストたちは皆、「撮り直しがほとんどなくて、撮影スピードが速い」ことや、「撮影中に台本が度々変更になった」と話すなど、緊迫した雰囲気で撮影が進められたことが明かされたが、北野組独特の撮影の緊張感を楽しんでいた様子で「あと2~3本は一緒にやりたい」(石橋蓮司)と、"北野組"作品への再参戦を熱望する声も上がった。

「全員が主役で、全員が脇役」という北野監督は「バランスを見て各役のセリフや出番を増やしたら、自分の出番が少なくなったので、椎名さんがやるはずだった、サウナに殺しに行く場面を俺がやった」と暴露

「僕はベッドシーンがあったんですけど、監督はカメラアングルとかは色々指示を出していたんですが、僕には『普通にやって』だけで、困りました(笑)。やりましたけど」と椎名。独特の北野演出に苦労したようだ

最後に、北野監督は「暴力映画ではありますが、意外と構造は一般社会に当てはまるところがあるのではないかと思います。自身や周囲を役にたとえて観ていただけると面白いかもしれません」と、同作を真面目にアピール。ところが、「観ていただくと、癌が治っただとか、階段が昇れるようになったとか、家出した息子が帰ってきたとか、色々いいことがあると思います(笑)」と、やはり締めにも笑いを忘れなかった。

主要キャスト全員が集合。左から塚本高史、杉本哲太、國村隼、三浦友和、北野武、椎名桔平、加瀬亮、小日向文世、石橋蓮司、中野英雄

『アウトレイジ』は丸の内ルーブルほか、全国公開中
(C)2010 『アウトレイジ』製作委員会