吉本新喜劇座長の小籔千豊、レイザーラモンからなるお笑い・ヒップホップユニット・ビッグポルノが7月21日、シングル『KING TIMER』でついにメジャーデビューを果たす。ラップに乗せて堂々と"下ネタ"を歌う笑撃のスタイルで、カルト的な人気を博してきた彼ら。メジャー目前の6月には東京・大阪で単独イベントを開催、8月には小籔が主催し、斉藤和義、サニーデイ・サービスらビッグネームの出演で話題の夏フェス「コヤブソニック2010」への出演も決定している3人を直撃した。
ビッグポルノ |
――ビッグポルノを結成したきっかけは?
小籔 : 「当時、3人とも吉本新喜劇でめっちゃチョイ役やったんですよ。セリフもないしヒマすぎて、とにかく3人でユニット組んでイベントやろうと。新喜劇に幽閉されたのが爆発したみたいな(笑)。パンクの成り立ちと同じかもしれないですね」
RG : 「追いつめられたイギリスの労働者階級によってパンクが生まれた。それと一緒ですね」
小籔 : 「オープニングにちょこっと出るとか、うどん屋の客の役とかだったので、立ち上がろうということで(笑)。最初はラップやなかったんですけどね。コントや映像を作ってイベントで披露してたんです」
――それがラップをやることになったのは?
小籔 : 「僕の同期の2丁拳銃がやる歌のイベントに出ることになって、どうせ知名度もないし、何か爪痕だけでも残して帰ろうと(笑)。ラップの歌詞なら芸人が考えてもイケるんちゃう? と思ってたんで、住谷(HG)が見つけてきてくれたDJの方に曲をもらって、作ってみたのが『SUNRISE SUNSET』っていうペ○スを歌った曲(笑)。客席のほとんどがドン引きやったんですけど(笑)、後ろの方にいた男が数人笑ってた。これはイケるかも? みたいな微かな手応えがあったので、もっとやってみようと」
――歌詞はどのようにして作るんですか?
RG : 「最初の頃は1番が小籔さん、2番が僕、3番が住谷みたいな感じでやってたんですけど、そのうち全部をみんなで一緒に考えようってなって。ま、漫才と一緒ですよね」
小籔 : 「ちょっと待て。さっきのイギリスの労働者階級と重ねたのはギリギリわかるけど、漫才と重ねたところでもともと俺らお笑いやし、まったく斬新な例えじゃないっていうか…(笑)」
HG : 「僕も納得いかないですけど(笑)。まぁ、それぞれ得手不得手があって、小籔さんはおもしろい歌詞を考える、出渕(RG)は歌が上手なんでメロディアスな部分を担当、僕はリズム感がないし歌も下手なんで、ほとんどダンサーっていう立場で」
小籔 : 「でも、声が一番いいのはお前やからな」
HG : 「あ、声はいいんで、合いの手とかも入れさせてもらってます」
RG : 「僕は普段あんまりラップを聞いてないせいか、逆に斬新な、引っかかるメロディをいつも出してますね」
HG : 「"引っかかる"って(笑)」
RG : 「たとえば、『マザー・テレサ』っていうラップには乗りにくい言葉を使ったときにですね…」
小籔 : 「それは斬新っていうよりおかしい例! フレーズの最後に『マザー』って1回歌っといて、次のフレーズの頭でまた『マザー』って続けるの変ですよね(笑)。ラップには"韻を踏む"ってあるけど、同じ言葉を2つ並べてフレーズを連結させるとかないわ!」
HG : 「韻を踏むんじゃなくて、ただ同じこと2回言ってるっていう(笑)」
RG : 「そこが、逆に癖になる感じの新しさですよね」
小籔 : 「同意できんわ(笑)」……続きを読む。