2010年4月よりテレビ東京系6局にて放送がスタートしたTVアニメ『HEROMAN』。第一部となる「スクラッグ編」も一段落し、新たなる展開が期待される本作だが、今回は、ウィル役として「スクラッグ編」の盛り上がりを支えた保村真が語ったメッセージを紹介しよう。

ウィル役の保村真が語るTVアニメ『HEROMAN』

――このインタビューが掲載される頃には、ウィルはどこかに旅立った後かもしれません……

TVアニメ『HEROMAN』でウィル役を演じた保村真

「そうですね。もう出ていませんね(笑)」

――ということになりそうなのですが、まずは保村さんが演じた"ウィル"というキャラクターについて教えてください

「ウィルは、スポーツ万能で頭脳も明晰。頭脳が明晰なシーンは出てないんですけど(笑)、たぶん頭もいいでしょう。そして、家もお金持ちという、完璧なエリートコースを歩んでいるようなヤツです。だから自分に自信を持っていますし、自分に出来ないことはないと思っているようなキャラクターなので、演じていて楽しかったですよ。あまりこういう役を演じることがないので(笑)」

――ガキ大将的なところもありつつ、それほど嫌味を感じさせないキャラクターですよね

「そうですね。リーダーシップをとる感じのキャラクターでしたね」

――ただ、なぜかジョーイには冷たい……

「たぶん、あまりはっきりしないヤツが好きじゃないんだと思います。ジョーイは、ちょっとウジウジとした感じに見えるので。それにウィルは、スポーツ万能みたいなところもあるので、スポーツが出来ないヤツに対しては、『なんでできないだ、なんでやらないんだ』みたいなことを考えるんじゃないかと思います」

――最初にウィルの絵を見たときの印象はいかがでしたか?

「すごいトサカだなと (笑)。最初に絵を見たのは、オーディション原稿を読む前だったんですけど、そのときは、『これはもう完全にいじめっ子だな』みたいなイメージがありました」

――実際に演じてみての印象はいかがでしたか?

「もうちょっと冷静な判断ができるヤツだと思っていたのですが、猪突猛進といいますか、けっこう突っ走るキャラでしたね。悔しいと思ったら、もう止まらないという感じで」

――ついには人間ではなくなりましたからね

「改造されちゃいましたね。いやあ、まさかの展開でした。ニックと一緒に突っ込んでいったとき、これは絶対に捕まるなと思った人もいるかもしれませんが、まさにそのとおりになってしまいました(笑)」

――観ている人にとってはかなりの驚きがあったと思いますが、演じていてもやはり驚きの展開でしたか?

「驚きは多かったですが、やはり演じながらも予想はするじゃないですか。そういう意味では、捕まって、改造されるというのは、王道といえば王道かもしれない。でもそれがかえって楽しかったです。特にひねりすぎることもなく、改造されて、洗脳されて、主人公の前に立ち塞がって対決する。そして記憶が戻って……というのは、驚きもありますが、やはり素直な展開なので、演じていて気持ちよかったです」

――ウィルという役を演じるにあたって注意したところはありますか?

「ただのいじめっ子にはしたくなかったんですよ。威張っていても、ちゃんと信念があって……ということを考えていたのですが、基本的には台本を最初に読んだときの印象、そこから受けた直感を大事にしたところが大きいです。やはり現場で、他のキャストの方と絡むことによって、どのように転がっていくかわからないじゃないですか。なので、ウィルを演じるにあたっては、あまりこういうキャラクターだということを固めすぎないように意識していたところもあります。ただやはり、"ただのいじめっ子ではない"ということだけはブレないように注意していました」

――ウィルの場合、たとえばジョーイに対する態度、ニックに対する態度、そして妹のリナに対する態度というところに微妙な違いがありますよね

「本当に妹が大好きなキャラなので(笑)。でも決して、デレはない。あくまでも兄貴として、妹に変な虫が付かないようにしなきゃ、みたいな感じでしたね。ニックは子分みたいなものなので、『別に来なかったら、来なくてもいいよ』みたいなことを言っちゃいますし、ジョーイにはやはり、ちょっとはがゆい思いがあるんでしょう」

――ジョーイに対しては、はがゆさに加えて、リナとの関係もありますよね

「その両方ですよね。もともとあまり好きでもないタイプなのに、自分のかわいい妹が好意を向けちゃっている……。そんなところにイライラしている感じもあったりして」

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