電子レンジでチン! キューピーの「レンジクック」シリーズに注目

レトルト合わせ調味の定番商品といえば、味の素の「クックドゥ」や丸美屋の「麻婆」といったシリーズがよく知られています。炒めた肉や野菜に混ぜ合わせるだけで、おうちで簡単に本格的な味の中華料理が完成。今でも堂々の人気商品です。

さて、これまでは、この2シリーズに代表されるように、レトルト合わせ調味料というと、中華系が主流でしたが、ここ最近、和と洋のメニューがメキメキと広がっています。なかでも注目すべきなのが、キューピーの「レンジクック」シリーズ。2008年3月の発売以来、メニューのバリエーションを広げながら、順調に売上げを伸ばしています。

さて、この商品の優れた点は「調味料が入っているパウチに(1)食材を入れ、(2)電子レンジで加熱して調理する」ことにあります。これまでにも、電子レンジやお鍋で温めるレトルト食品は、よくありました。レトルトのカレーやパスタソースがその代表例です。ただし、従来品は温めて、ご飯やパスタにかかるだけ。手間はかかりませんが、入っている具材が少ない分、見た目もボリュームも、しょんぼりな感は否めません。栄養バランス的にもかなりイマイチ。いかにも、忙しいときの即席ごはんといった感じです。食費は節約しても、食卓はしょんぼりにしないのが、「おうちごはん」で節約派のポリシーです。

そこで、この「レンジクック」シリーズの「食材を加える」という点が、真価を発揮します。写真の「和風おろし玉ねぎ煮」の場合は、鶏もも肉と玉ねぎをプラスします。これはあくまでも調理例で、加える食材はアレンジ自在。合わせ調味料には、おろし玉ねぎ、赤ピーマン、はちみつ、黒酢などが入っているので、これらと味の相性が良いものをプラスすればいいというわけです。ちなみに、キューピーのホームページの商品紹介では、アレンジレシピとして「たっぷりキャベツのスタミナ豚丼」「根菜と豚肉のきんぴら」「キャベツの豚肉の蒸し煮」を紹介しています。要は、そのとき家にある食材や特売の肉や野菜を加えればOK。味のイマジネーションを働かせて、いくらでもマイオリジナルレシピが誕生します。まさしく「おうちごはん」で食費節約派の味方です。

ありあわせの肉や野菜をプラスするだけで、本格ディナーが完成

「レンジクック」シリーズの利点をまとめると、次の7点。

  1. 材料を切ってパウチに入れ、電子レンジ加熱するだけなので簡単。
  2. 電子レンジで調理するので、今はやりの時短調理ができる。
  3. 電子レンジで加熱するので、野菜のビタミンが、茹でるよりも流出しない。
  4. 合わせ調味料は本格的な味なので、料理が苦手な人でも、失敗なし。
  5. 肉や野菜を加えるので、栄養バランスもよし。
  6. ちょこっとだけ残ったお肉や半端野菜でメインになるおかずができる。
  7. お鍋やフライパンを使わないので、後片付けが簡単。

といいことづくめです。 発売当初から注目を集めている「レンジクック」シリーズは、商品ラインナップを充実させ、にんにくと黒ゴマ、隠し味の山椒がピリッときいたスパイシーな塩だれの「豚肉のねぎ塩だれスパイス仕立て」、玉ねぎのうまみを生かした「サーモンのクリーム煮込み」といった新製品が登場。このほか、中華あんかけ、えびマヨ、カレー煮込み、ゆずこしょうだれ、トマト煮込みのハーブ仕立て、チゲ、和風おろし、ガーリック、そぼろあんなどを味のベースにした商品が全11種類(参考小売価格¥250)。どの商品もプロが味付けした合わせ調味料なので、味は保証つき。組み合わせる食材次第で、メニューの幅が広がります。

ハウス食品は卵とレンジの組み合わせ。レンチンしても卵がとろ~り!

ハウス食品でも、同じように、合わせ調味料入りのレトルトパウチを電子レンジでチンする商品を発売しています。シリーズ名は「できたてづくり」。「ふんわり親子丼」「ふんわり牛とじ丼」に、新しく「ふんわり天津丼」と「ふんわり卵クッパ」が加わりました。 この商品の優れた点は、従来、電子レンジでの加熱には不向きとされていた卵を調理できること。卵が固くならず、ふんわり柔らかく仕上がります。同社は、卵を加えて作る「できたてづくり」を商品化するにあたって、「卵食感維持調整技術」を新開発し、特許を取得しています。

この商品でちょっと残念なのが、加える食材が卵だけという点。「ふんわり卵クッパ」の調味料だれには、かなりちゃんとした大きさのたけのこ、にんじん、しいたけといった具材が入っていますが、やはり、これだけでは物足りない感じ。キューピーの「レンジクック」シリーズのように他の具材を加えてレンチンできると、ボリューム的にも、栄養バランス的にもさらに優秀な商品となることが期待されます。とりあえずは、別にレンチンした肉や野菜をプラスしてもいいかもしれません。

次回は、各食品メーカーの参入によって、ますますバリエが広がる、手軽でおいしい合わせ調味料を紹介します。

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