今春も多数のTVアニメが好調にスタートしているなか、ちょっと少なめなのがロボットアニメ。そこで「もっとロボットアニメが見たい!」とお嘆きの方に、今回はBSデジタルで放映中の『ゼーガペイン』、全6部作の劇場用アニメ『ブレイク ブレイド』、OVAの『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』という3本のロボットアニメを「東京国際アニメフェア2010」でのステージを通して紹介していきたい。

まず3月27日のステージで行われたのが「『ゼーガペイン』ROBOT魂発売&BS11放送開始記念トークイベント」。アニメ『ゼーガペイン』の主役機「ゼーガペイン アルティール」がバンダイのアクションフィギュア「ROBOT魂」で今夏発売されることに加え、この4月から同作品がBS11で放映されることを記念したステージだが、特筆すべきは『ゼーガペイン』の放映が2006年ということ。放映終了から約3年半を経てのファンイベント開催に、同作品の人気の根強さがうかがえる。

ステージにはソゴル・キョウ役の浅沼晋太郎、カミナギ・リョーコ役の花澤香菜、監督の下田正美氏、キャラクター原案の幡池裕行氏の4人が登場し、久々の再会を喜びあった。なかでも浅沼と花澤は声優デビュー間もない時期に関わった作品だけに、いまでもやはり思い入れが強い様子。Blu-ray化の要望が特に多い作品だけに、今後も忘れられない作品としてロボットファンの間に話題を振りまきそうだ。

『ゼーガペイン』はBS11にて毎週土曜日23時より放送中。SFマインドにあふれた世界観と切ない青春ストーリーで、ファンの心に忘れられない思い出を刻んだ作品だ

放映終了後もまだまだ人気の『ゼーガペイン』。左からソゴル・キョウ役の浅沼晋太郎、カミナギ・リョーコ役の花澤香菜、下田正美監督、キャラクター原案の幡池裕行氏

ネット投票が行われた「あなたの力でBD化プロジェクト」で『ゼーガペイン』が1位を獲得! 下田監督にトロフィーが手渡された。まだBD化は決定していないが、これはかなり期待できそう!?

幡池裕行氏がイベントのために描き下ろしたキョウとリョーコのイラスト。劇中では未登場だった3年生の冬服という特別バージョンに、会場からは大きな歓声が起こっていた

続く3月28日に行われたのが「『ブレイク ブレイド』劇場公開記念トークイベント」。『FlexComixブラッド』で連載中の吉永裕ノ介氏の同名マンガを、全6部作の劇場用アニメとして公開する一大プロジェクトだ。5月29日公開の第一章「覚醒ノ刻」に続き、6月26日には第二章「訣別ノ路」が公開されることがすでに決定している。

28日のステージには作品の舞台であるクリシュナ王国の国王、ホズル役の中村悠一と、若干12歳の魔動戦士として戦うクレオ・サーブラフ役の花澤香菜が登場。ふたりは4月30日から「アニメイトTV」で隔週配信がスタートするウェブラジオ「ブレブ・レイディオ」のパーソナリティも担当している。このラジオの特徴は男性版、女性版の2バージョンを配信することで、男性版は保志総一朗と中村悠一が出演する「クリシュナ王室広報局」、女性版は斎藤千和と花澤香菜が出演する「クリシュナ王宮女官室」となっているので、興味のある人はチェックしてみてはいかがだろうか。

『ブレイク ブレイド』は一癖も二癖もあるキャラクター同士のドラマはもちろんのこと、近年のロボットアニメとしては貴重な、手描きのアニメーションでロボット同士の迫力の肉弾戦を描写しているのも大きな見どころ。多彩なキャラクターに注目するもよし、重厚なロボットに注目するもよし。どちらの面でも意欲的な作品だけに、まずは第一章の公開をチェックしておきたい。

全6部作でクルゾン大陸の戦乱を描く『ブレイク ブレイド』。魔力の存在する世界で、魔力を持たないライガット(中央)は、古代巨兵「デルフィング」で戦いに身を投じる

ステージでは飛蘭がエンディング主題歌「SERIOUS -AGE」を披露。壮大なドラマを予感させる情熱的な歌声で、観客を魅了していた

左より主題歌を担当する飛蘭、クレオ役の花澤香菜、ホズル役の中村悠一

同じく28日のステージで行われたのが「装甲騎兵ボトムズ 幻影篇 200インチスクリーン"大"上映会」。ステージにはバニラ・バートラー役の千葉繁、ココナ・バートラー役の川浪葉子、原作・監督の高橋良輔氏、キャラクターデザインの塩山紀生氏、塚田延式プロデューサーの5人が出席し、テレビシリーズ放映当時の思い出と、新作『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』の制作を振り返った。『幻影篇』はテレビシリーズの30年後の世界を舞台に、壮年に達したバニラとココナが、消息を絶ったキリコの影を追うという物語。作中での経過時間が30年、現実での経過時間が26年と状況がほぼシンクロしていることもあり、関係者の感慨もひとしおといった様子。

今後の「ボトムズ」シリーズの展開は『幻影篇』のほかに、高橋監督が引き続きメガホンを取る『孤影再び』や、新規スタッフで若い世代に向けて贈る『ボトムズファインダー』『装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE -ケース;アービン-』といった新機軸の作品も控えている。『機動戦士ガンダム』とならび、放映から約30年が経っても新作が断続的に制作されているこのロボットアニメに、古参ファン以外も要注目と言えるだろう。

4月23日にDVDとBlu-rayで発売された『装甲騎兵ボトムズ 幻影篇』第2巻。価格はDVD版が3,990円、Blu-ray版が5,040円。第3巻は6月25日発売予定

左より千葉繁、川浪葉子、高橋良輔氏、塩山紀生氏、塚田延式氏。劇中のバニラそのものと言える千葉の名調子に、壇上からも客席からも大きな笑いが起こっていた

キャラクターデザインの塩山紀生氏から『幻影篇』のバニラとココナを描いた色紙をプレゼントされ、千葉と川浪も感激の様子。テレビシリーズの際も同じように色紙がプレゼントされたとか

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