日本の小学生が描いたロゴがGoogleトップに

日本の小中学生が考えた"Googleホリデーロゴ(Doodle)"はハイレベルなものだった。Googleは20日、ロゴデザインコンテスト『Doodle 4 Google』の最終選考表彰式を神奈川県・横浜美術館で開催した。グランプリを受賞したのは小学6年生の川島寛乃さん。川島さんが描いたロゴは、2010年3月1日(月)にGoogleのトップページを飾ることになっている。

グランプリに選ばれた川島寛乃さん。『日本の祝日』では、日本文化が持つ優美さと繊細さを表現した。「鳥を描くのが好き」という川島さん、将来は「自分で何かを作り出す仕事をしたい」とのことだ

祝日や記念日のみにGoogle検索のトップに登場するロゴを"Doodle(ドゥードゥル)"と呼ぶ。Doodle 4 Googleは、そのDoodleを小中学生に描いてもらおうというアートコンテストだ。「私の好きな日本」をテーマに約6万8千点の作品が集まった。オンライン投票などを経て残った最終選考30作品、その中からグランプリに選ばれたのは、小学6年生の川島寛乃さんが描いた『日本の祝日』。タンチョウヅルや平安時代をテーマとした色・模様を使い、Googleの文字をはっきりとデザインした作品だ。

「全体のバランスがエレガントにまとめられていて、Googleという文字をよく使っていた。"G"という一番難しい文字を鶴で表現し、日本をうまく表現していた」(川島優志 審査員)点が評価された。受賞した川島さんは「(他の作品を見て)私にはないデザインやアイデアを描いていたので自信はなかったけど、もらえてうれしい」と喜びを語った。川島さんが描いたDoodleは、3月1日にGoogleのトップページを飾る予定だ。

部門最優秀賞には、『加古川の春夏秋冬』の飯田莉捺さん(写真右)、『七転び八起き~あきらめないキモチ~』の野村梨奈さん(写真左)も選ばれた

加古川の春夏秋冬

七転び八起き~あきらめないキモチ~

グランプリ以外にも実に創造性豊かな作品が集まった。多くのDoodleを手がけてきたGoogle ウェブマスター マネージャーのデニス・ホワン氏は、地元の名所や日本の風情を巧みに取り入れた作品たちを絶賛。「(自分がDoodleを描く仕事を)クビになってしまうんじゃないかと心配になるくらい」。表彰式に集まった30名は、低学年・高学年・中学生部門の各地域で優秀賞に選ばれた生徒たち。デニス氏は「ここにいる皆は、大変な数の中から選ばれた優秀な人たち。それを忘れないでほしい」と語りかけた。

各部門最優秀賞のほか、優れた作品が多いことから急きょ設けられた審査員特別賞の受賞者は次のとおり。なお、地区代表30作品は横浜美術館内「カフェ小倉山」で2月28日まで展示される。Web上でもDoodle 4 Googleに寄せられた優秀作品を見ることができる

作品・受賞者 学年・地域
グランプリ 『日本の祝日』川島寛乃 小学6年生・神奈川県
小学校低学年部門最優秀賞 『加古川の春夏秋冬』飯田莉捺 小学3年生・兵庫県
小学校高学年部門最優秀賞 『日本の祝日』川島寛乃 小学6年生・神奈川県
中学生部門最優秀賞 『七転び八起き~あきらめないキモチ~』野村梨奈 中学3年生・鹿児島県
審査員特別賞 『グーグルの変身』皆本光 小学3年生・長崎県
『手と手をつないで』高村奈菜 小学6年生・茨城県
『グーグルうどん』大久保雷(あずま) 小学5年生・大阪府
『下関』日下愛実 中学2年生・山口県
『Japanese food』三浦真穂 中学2年生・秋田県

グループ制作で"巨大Doodle"にチャレンジ

表彰式に先立ち、デニス氏らによる作品制作のデモンストレーションやワークショップが開催された。ワークショップでは、子どもたちがGoogle社員と一緒にDoodleのグループ制作にチャレンジした。大きなキャンバスに描かれる「私たちの大好きな地球」をテーマにしたDoodle。Doodle 4 Googleは他国でも開催されているが、こうした試みは日本が初という。自分が想像する地球、訪れたことのない国々など、子どもたちは互いにアイディアを出しながらデザインする作業を楽しんでいた。Googleのトップを飾ることはすばらしい体験だが、全国から集まった同年代どうしでグループ制作に挑んだ経験も貴重なものになるだろう。ここで制作された6作品はGoogle社内に飾られる予定となっている。

笑みをこぼしたり、真剣な表情を見せたり。巨大Doodleのグループ制作にチャレンジする子どもたち

なお、Doodle 4 Googleは全国の小中学校の協力のもと実施されている。グランプリおよび部門最優秀賞受賞者が通う学校にはPCの購入助成金が贈られる。