――西島さんはどうやって役への集中力やテンションを保たれたんですか?
西島 : 「1カット撮り終えるたび、監督が『ちょっと見てくれ。このカットはスゴいだろ!』と言って、子どもみたいに喜ぶんです。実際、そのカットがスゴイので、全スタッフが『とにかくこの映画はすごい映画になる! それをスクリーンで見たい』と。現場が大変になると必ずその話になって、みんなで『いや、頑張ろう』って士気を高めてましたね」
――クランクアップした時はどんな気持ちになりました?
西島 : 「まったく実感がありませんでした(笑)。"本当にこれで終わったんだろうか"という感じでしたね。いつ監督が「やっぱり撮り直す」と言い出すかもしれないし、当然それがあってもおかしくないし……。むしろ冷静な感じでした。終わったのを実感したのは、完成披露試写会で舞台挨拶をした時が初めてでしたね。でも、本格的に実感するのは公開初日なんじゃないかな。自分たちがやることをやり切った作品が皆さんにどう届くか。すごく楽しみです」
――個人的に、大人の男女に響くものが大きい作品だと思います。
西島 : 「そうですね。この映画はすごくロマンチックな恋愛映画ではあるけど、同時に人生の選択の話。ある選択をした後も人生は続いていくという映画でもあるんです。どちらかと言えば経験を積んでいる方に『何か感じるものがあった』と言われて、すごく嬉しかったんですよね。もちろん、若い人にも楽しんでもらえる映画だと思います」
――この映画を観て愛すること、愛されることについても考えさせられたのですが、西島さんはそういう部分で感じられたことはありますか?
西島 : 「最終的に光子さんはもちろん、沓子さんも相手のためを思って身を引こうとしたり……。すごく純粋に相手へ向かっていくんですよね。それって女性の素敵なところだし、すごく強いところだなって。これは僕が勝手に抱いている女性に対する夢かもしれませんけど(笑)」
――あ~、夢かもしれませんね(笑)。
西島 : 「どうでしょう(笑)。でも実際、女性ってそうなんじゃないですかね」……続きを読む