若き女性蔵人が活躍する「五十嵐酒造」

田村酒造場からJRと西武線を乗り継ぐこと1時間強。東京都を出て、埼玉の飯能駅に着く。そこから徒歩20分ほどの場所にある小さな蔵元、それが「五十嵐酒造」だ。緑豊かな奥秩父の伏流水を使っており、水質の違う5つもの井戸を用途ごとに使い分けているという。

埼玉へと場所を移し……。飯能市にある「五十嵐酒造」では酒蔵に隣接して売店がある

20代の若き女性蔵人・吉野暁子さん。櫂入れの作業を見せていただいた。

またここでは、男社会の酒蔵ではちょっと珍しい20代の女性蔵人・吉野暁子さんが酒造りを行っている。吉野さんは農大の醸造科に入学後、食品全般を学ぶうちに日本酒に興味を持ったとのこと。そこで五十嵐酒造の社長に直接交渉して飛び込んできたのだとか。入社4年目になり、今年からは日本酒の味の決め手ともいわれる麹づくりの責任者"麹屋"を担当。取材時には、吉野さんの造った麹に、米、水、酵母を加えてタンクに仕込み、発酵させて酒のもととも言える酒母を作る「もと立て」の工程を見せていただいた。写真の作業は「櫂入れ」というもの。下から上へ持ち上げるように混ぜ、全体を循環させて温度を一定にして順調な発酵を促す。これを朝晩2回繰り返し、10~14日間で酒母が完成する。

五十嵐酒造の1本「大吟醸 天覧山」
本来辛口で造られているが、まず最初に米のエキス分による嫌みでない甘さが口中に広がる。続いてその甘みがすーっと引いていき、後味すっきり。フルーティーで香り高い

なお、西武鉄道では12月23日まで、今回紹介した3酒蔵を含めた9カ所の酒蔵を対象にした「2009 西武線で行く 沿線地酒めぐり スタンプラリー」を実施している。西武鉄道各駅等にあるパンフレットへ各酒蔵に設置されているスタンプを押していくスタンプラリーで、2つ以上集めて応募ハガキとなっているスタンプ台紙を郵送すると賞品が当たるといった内容。今回紹介した酒蔵以外の情報は以下の通り。

酒蔵名 最寄り駅
「小江戸鏡山酒造」 西武新宿線本川越駅
「矢尾本店」 西武秩父線西武秩父駅
「武甲酒造」 秩父鉄道秩父駅、または西武秩父線西武秩父駅
「豊島屋酒造」 西武新宿線東村山駅
「小澤酒造」 JR青梅線沢井駅
「長澤酒造」 西武池袋線高麗駅、またはJR八高線高麗川駅