俳優の堺雅人と女優の仲間由紀恵が、2010年公開の映画『武士の家計簿』で初共演することになった。
同作は、幕末の金沢・加賀藩を舞台に、堺が演じる"算盤バカ"と呼ばれた藩の会計処理専門家、猪山直之と仲間が演じる妻・お駒が、借金返済のため倹約生活を実行し、たくましく生き抜く姿を描く。監督は森田芳光。原作は、茨城大学人文学部の磯田道史准教授によって2003年に出版され、ベストセラーになった新書『武士の家計簿"加賀藩御算用者"の幕末維新』(新潮社刊)。
堺は「今回僕が演じるのは加賀藩の御算用者、今でいう経理のようなものでしょうか。派手なチャンバラなどはしませんが、幕末・明治という激動の時代に誇りをもって生きた、ひとりの侍の姿をお見せできればと思っています」と意気込みを。仲間も「猪山駒は、気取らず働き者で芯が強く、夫をきちんと理解して支えるという時代を超えた理想ともいうべき女性なので、やりがいと共に緊張を感じています。森田監督の演出のもと、夫である堺雅人さんとのお芝居を楽しみながら、凛として演じられるよう、一生懸命頑張ります」と意欲を見せている。
不況の昨今、"きちんと現実を見つめて力を合わせて生きていけば、どんな時代がきても人は生きていける"というメッセージを込めるという同作。森田監督は、「時代劇に今までまったくなかった視点で武士の物語を描く意義を感じています。そしてそれらの仕事や生活、生き方を通して、現代にも通じる『人間味』が映画の中から滲み出るような作品にしたいと思っております。時代の激変を腕と家族の団結で乗り越えていく姿を今では稀な三世代家族の暖かさとユーモアも交えて描きたいと思います」とコメントしている。
『武士の家計簿』は、12月1日に金沢でクランクインし、1月いっぱいまで撮影される。2010年公開予定。