──尊敬する女優さんとして大竹しのぶさんを挙げていますが、6年前、鈴木さんがヘレン役を演じたときのサリヴァン役は、大竹さんでしたね。

鈴木「大女優であるしのぶさんと組むことで、最初はすごく緊張していたのですが、お会いしたらふわっとした少女のような方で。今回、私がサリヴァン役をすることについても、『絶対、観にいくわ。杏ちゃんらしいサリヴァンをやってね』と言っていただきました」

──今回、共演するヘレン役の高畑充希さんの印象はいかがでしょう?

鈴木「これまでは、私が現場で最も年下ということが多く、先輩たちにかわいがってもらったり、引っ張っていただくことが多かったのですが、今回は、役柄的にも、年齢的にも、自分が引っ張っていかなければならない立場。とても不安だったのですが、充希ちゃんとなら安心して、タッグが組めそうです。先日、プロモーションで、大阪と名古屋に行ったとき、初めてゆっくりと話すことができたのですが、落ちついているし、頭もいいし、とても素敵な女の子です」

──『奇跡の人』というと、取っ組み合いのシーンも印象的ですが。

鈴木「あれはハードです! しのぶさんが『いろいろな色のアザができるよ』とおっしゃっていたのですが、本当にその通り。できたばかりのものと、治りかけのものとでは、アザって色が違うんですよね。毎日、新しいアザができるので、アザがたえる日がなかったのですが、またあの日々が始まるんだなって(笑)。それに、今回はハードな動きに加えて、サリヴァン役としてセリフも言わないといけないので、少しひやひやしています」……つづきを読む

鈴木杏の"私服チェック"

今回のインタビューでは私服を披露してくれた鈴木杏さん。「これ、Kitsonで昨日買ったばかりなんです」という真っ赤なTシャツに、「チェックが流行っているじゃないですか!」と赤チェックのネルシャツをあわせたボーイズライクなファッション(好きなブランドはVivienne Westwood、ROSEBUDだとか)。足元には「知り合いの革職人さんにつくっていただいた」という革靴が。フォルムもデザインもユニークな革靴に注目していると、「この柄は"砂漠を歩くためのコンパス"なんです(笑)」とカラカラと笑う。 大きな瞳で相手を捉え、じっくり真剣に舞台について話していた姿と、漫画の話、ファッションの話などはしゃぎながら話す姿、そのギャップも彼女にひきこまれてしまう理由かもしれない。