2クール目に突入し、オープニングおよびエンディングテーマが刷新されたTVアニメ『アラド戦記~スラップアップパーティー~』。新オープニングテーマ「塞塵(そくじん)のパンドラ」は、1クール目に引き続き、リュンメイ・ランカ役で声優としても出演中の野川さくらが担当する。そこで今回は、8月5日に発売される本作について、野川自身が語ったメッセージを紹介しよう。

野川さくらが語る新オープニングテーマ「塞塵のパンドラ」

――新オープニングテーマ「塞塵のパンドラ」を歌うことが決まったのはいつごろですか?

野川さくら

「『アラド戦記~スラップアップパーティー~』が半年間のアニメということで、もしかしたら途中でオープニングが変わるというお話もあったのですが、私が歌うということは全然確定していなかったんですよ。なので、2クール目もぜひと言っていただいたときは、すごく嬉しかったです。1クール目の『PARTY PLAY』を歌えただけでも十分幸せだったのですが、2クール目も歌えるということで、喜びが2倍に膨れあがりました」

――「塞塵のパンドラ」というタイトルはどういう意味なのでしょうか?

「この『塞塵』という言葉は、曲を作っていただいた志倉千代丸さんの"造語"なんですよ。『塵のような砂漠の中で、砂嵐が起きている』。そういった雰囲気を言葉にしたかったんだけど、当てはまる言葉がなかったので、こういった言葉を作ったそうです。『PARTY PLAY』と『塞塵のパンドラ』というこの2曲で、『アラド戦記』のオープニングテーマとしてひとつの楽曲なのかなっていうぐらい、楽曲の雰囲気や歌詞の世界観、ストーリーが繋がっていると私は思っているんですね。『PARTY PLAY』では、それぞれがばらばらに暮らしていたキャラクターたちが出会って一緒に冒険していく中で、お互いの過去の辛さを克服していったりとか、友情や絆を深めていったりするんですよ。そして、そんな仲間たちとの絆を深めたうえで、開けてはいけない"パンドラの箱"をその仲間たちと開けて、さらに強い敵に、そして物語の先へと突き進んでいく。そういうことをこの言葉を使って表現したいんだとおしゃっていました」

――最初にタイトルを見たときの率直な感想はいかがでしたか?

「最初はなんと読むのかわからなかったですし、字から受ける印象としては固い感じ、コンクリートのようなカチカチなイメージを受けましたので、サウンドもどっしりと重い感じなのかなって思っていました。今ではすっと言葉にできるのですが、最初はちょっととまどいましたね。今までに歌ってきた楽曲の中にこういう感じのタイトルはなかったので、馴染むまで少し時間がかかりました」

――曲を初めて聴いたときの感想はいかがでしたか?

「重い感じのサウンドかと思っていたのですが、ロックでスピード感があって……。桃井はるこちゃんは千代丸さんの楽曲で、すごくいい楽曲には、『ちよまってる』という表現を使うんですね。千代丸さん自身も、それが最高の褒め言葉だとおっしゃってて、私は、『PARTY PLAY』もすごく"ちよまってる"サウンドだと思っていたのですが、それをはるかに上回るくらい"ちよまってる"サウンドだという印象を受けました。なので最初は、これをちゃんと自分の楽曲として歌えるのかなっていう心配がありました。自分の歌としてちゃんとレコーディングできるかなっていうプレッシャーが少しあったので、かなり練習しましたね(笑)」

――歌詞の中で好きなところはありますか?

「1番のサビの部分の、『数え切れない涙の記憶も 背きたい真実も 本当の笑顔の為に ここにあって……』というフレーズがすごく好きですね。やはりアニメのテーマソングなので、作品の中のエピソードにも繋がってはいるのですが、実際に私たち人間も生きていくうえでは、楽しいことばかりでなく、辛いこともたくさんあったりすると思うんですよ。その中でも、うれしいことというのは、辛いことがあったからこそ、その幸せを噛み締めることができて、感じることができる。このCDを聴いてくれる皆さんが生きていくうえで、悲しんでいるときに、いつかうれしいことが待っているからって、背中を押してあげられるような、そんなフレーズなのではないかと私は思っています。人生の中にはいろいろと辛いことがいっぱいあるけれど、この曲のように、いつか笑顔になれる日が絶対訪れるから頑張れっていう、そういったメッセージが私はすごく心に響きました」

――レコーディングはいかがでしたか?

「レコーディングを行ったのは、『PARTY PLAY』が発売されて少し経ってからだったのですが、5pb.さんにレコーディングで訪れたら、ちょうど私のポスターが飾ってあったので、それを見てすごくテンションがあがりました(笑)。テンションはけっこう大事なんですよ。私の場合、ご飯をちゃんと食べないと声が出なかったりするのですが、そういった自分なりのレコーディングに臨む際のテンションの持っていき方というのはわかっているつもりだったのですが、それが2倍になるくらいのうれしいサプライズだったので、かなり気持ちよくレコーディングをすることができました」。

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