サムギョプサルとは豚バラ肉の意

韓国料理といえばやっぱり焼肉! 日本では牛肉がメインだが、韓国では豚の方が一般的。中でも豚のバラ肉を使ったサムギョプサルの人気が高い。"サム"は3を、"ギョプ"は層を、"サル"は肉を意味し、文字通り豚の三枚肉(バラ肉)のこと。厚切りにした豚バラ肉を鉄板で焼き、塩やゴマ油などをつけて食べるのがスタンダードだ。しかし10年ほど前からはアレンジが盛んになり、ワインに漬けたりハーブをまぶしたりといった様々なサムギョプサルが登場している。

まずは、アレンジ焼肉店の中でも特に若者に人気の店「八色サムギョプサル」(住所: 麻浦区老姑山洞107-111)を紹介しよう。ソウルの中心地である明洞からも近い学生街の新村にあり、休日前には満席に近い大にぎわい。ここは店名のとおり、8種類のサムギョプサルが食べられる店。単品でも注文可能だが、8種の焼肉が少しずつ盛り合わせになっている「八色サムギョプサルセット」(3万w)がオススメ。

「八色サムギョプサル」店内。日本語堪能なスタッフもいるので安心。ただし、満席の可能性も高いので、注意しよう

高麗人参や松の葉風味のサムギョプサルがズラリ

「八色サムギョプサルセット」より

まずは、細長い板に並べられたたくさんの葉もの野菜が運ばれてくる。そしてテーブル横に専用のワゴンがセッティングされ、いよいよお待ちかねのサムギョプサルの登場。それぞれには韓国語と日本語でメニュー名がついており、味の付いていないスタンダートタイプ以外に、高麗人参・ワイン・松の葉・ハーブ・カレー・味噌・コチュジャンの味がつけられたものがある。これらの肉類は、キムチといっしょに、脂が落ちるように斜めに傾いたサムギョプサル用の鉄板で焼く。焼きあがるとスタッフがハサミでカットしてくれる。

程よい焼加減になればスタッフがハサミで切ってくれる

焼きあがった肉を好みの葉もの野菜にのせ、キムチやコチュジャン、ニンニクなどと一緒に巻いていただく。つけダレは、ごま油&塩、ドレッシング風のさっぱりしたタイプなどが用意されている。葉もの野菜はお代わり自由で、サンチュだけでなく、ケールやわさびの菜といった日本では珍しい野菜もあって飽きない。

葉もの野菜を鮮度よく保つための専用保冷庫。中は湿度が高いので、いつも葉もの野菜はパリパリ。日本でもサムギョプサル専門店で導入しているところがある

葉もの野菜で巻くと焼肉もヘルシーにいただける

独特のにおいがある高麗人参や松ヤニっぽい松の葉は好みが分かれるところだろうが、日本ではあまりない味わいなので、「これぞ韓国! 」という思いが強まってくる。そのほかワインやハーブなど洋風のものも脂の多い豚バラ肉によく合っていてた。私的イチ押しは、スパイスがほどよくきいているカレー味。「むぅー、おなかいっぱい」となったころに食べても、適度な辛さからペロリと食べてしまった。

日本でもサムギョプサルが食べられる店は増えている。焼肉店でメニューの1つとして出しているところもあるし、専門店も多数ある。ワインやハーブ漬けなどアレンジメニューも増えて食べ比べが楽しめる。そして今回紹介した「八色サムギョプサル」も、日本に進出予定なのだとか。