次はちょっと珍しい部位の焼肉が楽しめる焼肉店「Oink(オインク)」(住所: 麻浦区西橋洞331-18)。こちらもメインは豚焼肉で、地元の人々でにぎわっている。焼く方式はほとんど日本と変わらず、炭火のロースターでセルフで焼く。排煙もしっかりしていて、店内の空気もこもっておらず、快適だ。

地元客で満席な「Oink」

焼いた肉は、サンチュやエゴマの葉で包んで食べる。店内中央に設置されているワゴンから、包み用の葉もの野菜やニンニクスライスなどがセルフで取り放題となっている。日本では希少なエゴマの葉をここぞとばかりにたくさんおかわり。肉と共にキムチや生のニンニクスライスなどを一緒に巻き、つけダレでいただく。エゴマの程よい清涼感が豚肉の脂を洗い流してくれ、いくらでも食べることができる。

日本でもなかなかお目にかかれない豚の頬肉と背肉

そんな同店のオススメは「豚の頬肉」(9,000w / 200g)。日本人にもなじみやすい塩ダレで味が付いている。コリッとした食感が特徴的で、タンや砂肝が好きな人には特にプッシュしたい。脂は少なく、赤身肉のしっかりとした味わい。一頭から200g弱しかとれないという希少部位なので、1枚1枚の肉はやや小さめ。

もう1つ珍しいメニューが「豚の背肉」(1,0000w / 200g)。こちらは頬肉と比べると脂がある。ただ脂の部分が固まりになっている訳ではなく、細かくサシが入っている感じ。しっかりと焼くと脂が落ちるので、それほど気にしなくてもよい。こちらは脂分が多いせいか、肉自体の味わいがしっかりとしている。ちなみに、網の交換は頻繁に行ってくれる。1時間半ほどの滞在だったが、2回変えてくれた。

「豚の頬肉」(9,000w / 200g)

「豚の背肉」(1,0000w / 200g)

豚肉だけではなく、牛肉メニューも多数あり、人気を集めていたのは「牛カルビ」(1万5,000w)。同店はタレで漬け込むのではなく、注文ごとにタレをかけるか、軽くもみ込むかといった程度で、「肉そのもので勝負」といった姿勢がうかがえる。カルビは厚切りタイプで食べ応えがあり、やや脂がある程度。

焼いているのは豚頬肉。観光客でも網をちゃんとかえてくれるのが嬉しい

店内を見渡すと、お客は若者中心。そして同店だけではなく、他の焼肉店でも見られる光景が、お客の大半がソジュ(焼酎)をショットグラスでグイグイいっているシーンだ。ビール派は意外と少なく、ソジュをロックや水割りで飲んでいる人もほとんどいない。「Oink」では「チャミスルフレッシュ」が飛ぶように売れており、実際に飲んでみると、甘みがやや強い。なるほど、辛いものとはベストペアリングとういことか。

「ご飯セット」(1,000w)。旨味のある味噌汁までついてこの価格とは……

サイドメニューとして、多くの人が注文しているのは「ご飯セット」(1,000w)。テジャンを使った味噌汁とご飯のセットなのだが、味噌汁はミニサイズの鉄鍋でグツグツ煮たって出てくる。あまりの安さに、驚き。韓国の味噌で味付けしており、少し魚系の味があって旨みがある。

プルコギ由来の漬け込みタイプの焼肉が多いと思っていた韓国でも、ここ数年はタレは控えめで肉そのもので勝負する店が増えているよう。また、カルビやロースといったようにざっくりと分類するのではなく、部位ごとに細かく食べ分けているのも発見だった。日本の焼肉店でも、ミスジやトウガラシなど専門的な部位に切り分けて売る店が人気になっている。日本でもディープな焼肉にチャレンジしてはいかがだろうか。