2009年4月よりBSフジにて放送中のTVアニメ『こんにちは アン Before Green Gables』。世界名作劇場第26作目となる本作の主題歌を歌うのは、『天空の城ラピュタ』の「君をのせて」、『となりのトトロ』の「さんぽ」などでおなじみの井上あずみだ。今回は、『こんにちは アン』のオープニングテーマ「ヒカリの種」とエンディングテーマ「やったね♪マーチ」を収録したCDが5月20日に発売されるのを記念して、井上本人が語った曲に対する想いや意気込みなどを紹介しよう。


井上あずみが語るTVアニメ『こんにちは アン』主題歌

――『こんにちは アン』の主題歌がいよいよ5月20日に発売されますが、まずは発売を直前に控えての率直な感想をお聞かせください

井上あずみ

「去年歌手生活25周年を迎えたので、今年は初心に帰ってイチから頑張ろうと思っていたところに、世界名作劇場第26作目の主題歌のお話をいただきまして、本当に光栄に思っています。実を言うと、世界名作劇場は、子どものころからずっと楽しみにしていたアニメなんですね。もちろん絵もお話もとっても素敵なのですが、やはり主題歌が本当に名作ぞろいだと思っています。そんな中の一員に私もなれるんだと思うと、すごくうれしいですね。もう"ラッキー"という感じです(笑)」

――主題歌を担当するに当たって、原作小説はお読みなりましたか?

「『こんにちは アン』の原作は、『赤毛のアン』の100周年を記念して、バッジ・ウィルソンさんというカナダの女流作家の方が書かれたのですが、もちろん上・下巻ともに読ませていただきました。『こんにちは アン』のアンは、『赤毛のアン』よりもちょっと苦労しているところが多いのですが、『もー! 何でこうなるの!』なんて、本当にアンになりきって読ませていただきましたので、周りにいた家族はみんな、なんでこんな顔をして本を読んでいるんだろうって思っていたかもしれません(笑)。『赤毛のアン』自体は、子どものころにシリーズで読んだのですが、『こんにちは アン』を読んでいるうちにまた読みたくなって、今は『赤毛のアン』を最初から読み返しています(笑)」

――オープニングテーマ「ヒカリの種」をはじめて聴いたときの感想を教えてください

「初めて聴いたときは、大きな歌だなって思いました。まさに『ザ・名作劇場』という感じがする王道の曲だなって。なので、最初は朗々と歌えばいいんだなって考えていたんですよ。演奏もフルオーケストラだと聞いていたので、『よし、オーケストラをバックに広がりのある歌い方をしよう』って意気込んでいたのですが、レコーディングのときに『こんにちは アン』の谷田部監督から、『どちらかというと素朴さが出る方がいいんだよね』って言われまして……。これまで本当にたくさんの歌を歌わせていただきましたが、一番難しいと思った曲かもしれません」

――どのあたりが一番難しいと感じましたか?

「『ザ・名作劇場』、『ザ・主題歌』といっていいくらい大きな歌なので、それを素朴に歌うというのが本当に難しくて……。『どう歌っても大きくなっちゃうよね』って、ディレクターさんと2人で頭を抱えていました(笑)。あと、私はどちらかというと高い音を好んで歌うところがあるので、ちょっと高めのキーにしたいと思っていたのですが、みんなに歌ってもらえる曲にしたいということで、自分が思っているキーよりも少し低めになっているんですよ。聴いていただけるともちろん私の声だってわかると思いますが、歌い方自体は、子どもたちと一緒にお母さんが歌っているようなイメージになっています」

――できあがりに対する満足度はいかがですか?

「私の中では精一杯頑張りました(笑)。監督さんにも大絶賛していただいているようなので、安心しています。今回は演奏がフルオーケストラということだったので、やはり大きく歌いたかったんですよ。なので、どうやったら素朴な感じを出しつつ、大きく歌えるかというところを悩んで悩んで、本当に本番当日まで考えぬいて歌ったので、私なりに頑張れたんじゃないかと思っています。こういった王道的なアニメの主題歌って、今ではけっこう珍しいじゃないですか。なので、こういった曲を今でも皆さんに聴いてもらい、そして歌ってもらえる時代であってほしいと思いながら歌っています。聴いていただいた方に、『世界名作劇場ですね』っていわれるとすごくうれしいです。まさに、そういうイメージで歌いましたので』

――実際にオーケストラをバックに歌ったのですか?

「実際のレコーディングではもちろん歌は後からダビングしていますが、仮歌のときは本当にオーケストラをバックにして歌わせていただきました。演奏する方に、私の声のイメージをわかってもらうという理由もあったのですが、私自身もその機会に演奏のイメージをつかんで、実際のレコーディングに挑みました。実はレコーディングのために、何回も歌っているんですよ。最初に、キーとテンポを決めるために歌って、そしてオーケストラをバックに歌って、それから本番のレコーディングという感じで、3回も歌わせていただいています。最近あまりこういったレコーディングはないですし、私自身も初めての経験でした」

――オーケストラをバックにして歌ってみた感想はいかがですか?

「すごく気持ちよかったです(笑)。本当に贅沢なレコーディングをさせていただいたので、この曲はこれからもずっと歌い続けていかなければなと思っています」

――さて、「ヒカリの種」の中で好きなフレーズや歌詞はありますか?

「『泣いて生まれたのは幸せを作るためさ』という歌詞があるのですが、『こんにちは アン』に出てくるアンは、あまり楽しいことばかりじゃないんですよ。このあたりは実際にアニメを観ていただければわかると思いますが、今の時代ではありえないっていうくらいに可哀相な身の上なんですね。それでもアンはいつも明るく前向きですし、そんなアンにつられて、周りの大人たちもドンドンドンドン変わっていくんですよ。悲しいこともいっぱいあるけど、でも涙の数だけ幸せは絶対にあるよっていうことがこの詞に重ねられている感じがして、私は一番好きです」

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