あくまで個人利用者を追求したい

木下彩氏

ホテルのオープンを記念して行われた会見では、同ホテルの経営会社で、昭和10年から創業しているUHMの代表取締役 木下彩氏が新ホテルに関して語った。「今は高級ホテル、カプセルホテルなど様々な形態からお客様が用途に合わせてホテルを選ぶ時代。そこで、日本旅館から経営を創めた私どものノウハウを生かすホテルは、『美しいモダンな"和"のホテル』だという結論になりました。『大人が来て、ほっとくつろげる。普段使いで気持ちよく使っていただけるホテル』を目指しております」(同)。"庭"へのこだわりも「都会にいながら、ほっとしていただく」ためだという。

人見啓介氏

「スタッフは日本人スタッフのほか、中国、韓国、マレーシアのスタッフを入れ、言葉の問題がないように対応します。ターゲットは外国人宿泊客、カップル・ご夫婦、観光客、女性のビジネスマンなどです。さらに、"大型ホテルに泊まりたくないが、いいサービスを受けたい"という方も受け入れられると思います。5月の稼働率はまだ30%程度ですが、団体客ではなくあくまで個人利用者を意識したサービスを展開していきます」(同ホテル総支配人 人見啓介氏)。

料金体系や客室のサイズから、高級ホテルとは言いがたい。だが、宿泊特化型のチェーンホテルとも一線を画す、こだわりのコンセプトとデザインを持っている。高級ホテルと宿泊特化型ビジネスホテルの2極化と言われている日本のホテル市場で、どちらの立ち位置も"あえて"選ばない。それが、「庭のホテル 東京」だ。これがホテル市場の変化の兆しとなるのか。今後の動向も合わせて、注目していきたい。