クラブフロア宿泊客が利用できるその他のサービスとしては、館内のフィットネスルームの24時間無料利用、クラブラウンジ内ミーティングスペースの無料利用(2時間まで)や、通常正午のチェックアウトを14時まで延長できるレイトチェックアウトなどがある。レイトチェックアウトは、客室数の多いこのホテルだからこそ提供できるサービスだと言えよう。また、主に海外から早い時間に到着した宿泊客のために、チェックインの準備が整うまでの間に利用できるシャワールームがクラブラウンジのフロアに用意されている。

また、スイートルームは6タイプが用意されているが、いずれのタイプの部屋もリビング部分と寝室部分の間などには、基本的にドアではなく引き戸を用意しているのが特徴。これによって、通常の在室中は引き戸を開けて空間を広々と使い、部屋にゲストを招くときや、同行者が先に就寝するときなどは、戸で寝室部分を区切ってプライバシーを確保するといった具合に、シーンに応じて室内の使い方を変えることができる。この引き戸というアイデアも日本家屋的な発想で面白い。

コーナースイート(65平米)。リビングと寝室、寝室とバスルームの間にはそれぞれ引き戸があり、シーンに応じて開閉することで部屋の使い方に変化を持たせることができる

ジュニアスイート(52平米)。ダブル・ツインルームでは部屋の広さは異なるが、インテリアは同じテーマが用いられている

全体を通じて、この新しいクラブフロア、そしてクラブラウンジからは、単に豪華さや高級感をアピールするのではなく、ビジネスや観光といった滞在目的をより充実させるための、有意義なホテルライフを提供しようという姿勢が伝わってくる。それゆえに、多くの人にとってそのメリットを実感できる、「十分に使いこなせる」サービスであると言えるだろう。

「せっかくパソコンを持ってきたのにLANケーブルを忘れた」ということはよくあるが、引き出しの中にちゃんと用意されていた。「GET CONNECTED」の文字もふるっている

執筆業をしている筆者の場合「出張=滞在先で取材し原稿を書くこと」であるため、デスクワークのしやすい充実した作業空間が客室にもラウンジにも確保されているのが非常にありがたかった。また、客室の設備や落ち着いたインテリアによって、日中の取材で溜まった疲れを極力翌日に残さないようにリラックスすることもできた。おそらく、滞在中数多くの商談や会議をこなし、部屋に戻ってからは翌日に使う資料の仕上げをするといった仕事をされる方にも、同じようなメリットが得られることだと思う。もちろん、観光での滞在や、ホテルステイ自体を楽しみたいといった目的でも、クラブラウンジをはじめとした数々の専用サービスはちょっとした非日常の体験として印象に残るものとなるだろう。

なお、ANAインターコンチネンタルホテル東京では、クラブフロアの新装オープンを記念して、クラシックフロア(7~21階)と同料金の1室2万6,000円(1または2名利用、サービス料・消費税込、料金は日によって変動)からダブルまたはツインルームを、スイートルームをジュニアスイートで3万5,000円(同、通常8万6,625円)から、コーナースイートで4万3,000円(同、通常10万9,725円)から利用できるキャンペーンを5月末まで実施している。この機会を利用して、その充実したサービスを実際に体験してみるのもいいだろう。