3月24日、東京・フジテレビのマルチシアターにて、4月5日より放送開始となるTVアニメ『ドラゴンボール改』の完成披露試写会が行われた。

『ドラゴンボール』は1984年より鳥山明氏が「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)で連載した作品で、コミックスは累計で3億部以上を発行。アニメは1986年から1997年の11年以上に渡り、TVアニメ全508話、劇場作品17本を制作。日本ほか世界40カ国以上で放送され、いまなお多くのファンを持つ作品だ。4月より放送開始となる『ドラゴンボール改』は、1989年から放送された『ドラゴンボールZ』全291話を、再編集したもの。2009年で『Z』放映より20周年となることを記念して制作され、"鳥山明オリジナルカット版"と銘打っての登場となる。

放送20周年を迎える『ドラゴンボールZ』から、全291話を再編集して描く『ドラゴンボール改』。フジテレビ系列にて4月5日朝9時より放送開始


『改』では原作により忠実な形で再編集が行われ、展開がスピーディーに。さらに『Z』当時のフィルムがデジタルで処理され、より鮮やかな映像で物語が描き出されていく。またセリフはすべて『Z』放送当時のキャストによって新規収録されたほか、オープニング、エンディング映像と各テーマ曲も、新たに制作されている。この日の試写会には、孫悟空役の野沢雅子らキャスト陣のほか、ゲストとしてお笑いコンビ・次長課長も駆け付け、その完成を祝った。

壇上にはキャスト陣のほか、お笑い芸人の次長課長らも登場し、賑やかな完成披露試写会となった


■野沢雅子 (孫悟空役)
ブランクは13年ぐらいになりますが、アフレコではその月日をまったく感じませんでした。芝居の間合いもすべてわかっており、違和感なくスッと入っていけました。まるで昨日までアフレコがずっと続いていたような印象でした。

■田中真弓 (クリリン役)
アフレコでは、クリリンは本当に悟空好きなんだなって改めて思いました。『Z』のときは緊張であまりなにも思わなかったのですが、『改』で悟空が目の前で死んでいったときに「悟空ー!」とクリリンが叫ぶ。そんな姿を見て、改めてクリリンの悟空への思いを感じました。

■古川登志夫 (ピッコロ役)
キャストであることを抜きにして、もう『ドラゴンボール』のファンになっています(笑)。フィギュアなども山ほど集めています。またアニメのアフレコに参加でき、最高という言葉ひと言です。

孫悟空役の野沢雅子。スピーディーな展開について、「かめはめ波を溜めて来週へとはならず、すぐに撃っちゃいます(笑)

クリリン役の田中真弓。「アフレコでは改めてクリリンの悟空への思いを感じました」

ピッコロ役の古川登志夫。「ゲームなどで毎年『ドラゴンボール』に関わっており、僕たちのなかでは終わっていない作品です」


また会場では次長課長のふたりが、お気に入りのセリフをキャストにリクエスト。「悟空がフリーザとの戦いのなかで叫ぶ『クリリンのことかー!』というセリフ」(井上)や、「孫悟飯をかばってピッコロが倒れるときに言った言葉」(河本)などをお願いすると、会場で名シーンが再現されることに。その様子にふたりは「感動です」(河本)、「鳥肌もの」(井上)と、大興奮の様子だった。

大の『ドラゴンボール』ファンである次長課長のふたり。井上聡(右)は悟空、河本準一(左)はピッコロのコスプレで登場

オープニングとエンディングテーマを歌うユニット・Dragon Soul。会場ではユニット名でもあるオープニングテーマ『Dragon Soul』を披露


※以下、ネタバレを含みます。

初公開された『改』第1話は、地球に襲来したサイヤ人・ラディッツの脅威が、より強調された編集に。ラディッツと地球人の初接触シーンや、ピッコロとの対峙などを見せる反面、森で迷った悟飯がサーベルタイガーを追いかけるシーンは大胆にカットされた。そして『Z』では第2話中盤となっていた、ラディッツがカメハウスを急襲するまでが、『改』の第1話となる。また物語冒頭では、悟空のピッコロ大魔王との戦いや、天下一武道会での様子を見せながら、悟空の生い立ちを紹介。さらに、悟空の父・バーダックとフリーザの決戦シーンも挿入され、悟空の背負っている背景を見ながら、物語に入っていける構成だ。そのほか新規オープニング映像では、悟空のベジータ、フリーザらとの激突が迫力満点に描かれ、見応え十分の仕上がりとなっている。

鳥山明氏からのイラスト入りコメントも紹介された

デジタルHDリマスター処理を施して放送される『ドラゴンボール改』。会場ではDVD画質との比較映像も公開

『ドラゴンボールZ』放送開始から20周年という、節目の年に登場する『ドラゴンボール改』。『Z』放送当時を知るファンには懐かしく、また、観たことがないという人には、多くの人を魅了する『ドラゴンボール』に触れる絶好の機会である。ぜひアニメで熱き"Z戦士"の物語を体験してほしい。

試写会出演者による集合写真。前列左側よりDragon Soulのギター担当・岩崎貴文、ボーカル担当・谷本貴義、次長課長の河本準一、井上聡、後列左側よりピッコロ、クリリン役の田中真弓、孫悟空役の野沢雅子、ピッコロ役の古川登志夫、孫悟空

(C) バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション