3月28日から新しいETC割引が始まる。表1はおもな新ETC割引の内容なので、まずはチェックしていただきたい。30日(月曜日)からは平日に導入された平日昼間割引、平日夜間割引もスタートしている。

【表1】3月28日からのおもな新ETC割引

新しい割引の目玉はなんといっても地方部の高速料金が最大1,000円になる休日特別割引。どれだけ乗っても、最大1,000円というのは確かに魅力だ。

しかし、私のような東京都内在住者にとっては地方部に行くまでに大都市近郊区間を通ることになり、大都市近郊区間を含めた料金が気になるところだ。

それに高速道路を利用するといっても、いつも遠出するとは限らない。大都市近郊区間内や、大都市近郊区間を少し超えた区間を利用するという人も多いだろう。そこで、大都市近郊区間を含んだ、新しいETC割引での料金を調べてみた。東名高速と中央高速はNEXCO中日本の料金・ルート検索サイト「高速日和」で検索した料金。常磐自動車道は、原稿執筆時点でNEXCO東日本の料金・ルート検索サイト「ドラぷら」が新ETC割引に対応していなかったので、NEXCO東日本の広報室に尋ねた。

私事で恐縮だが、表2の各区間ともわたしがよく利用するルートで、とくに常磐自動車道の三郷~土浦北間は、友人の週末農業の手伝いに行くときに頻繁に利用している。各区間の東京周辺の大都市近郊区間は東名高速が東京~厚木間、常磐自動車道は三郷~谷田部間、中央高速は高井戸~八王子間となっている。このほか、東北自動車道は川口JCT~加須、関越自動車道は練馬~東松山間が大都市近郊区間となっている。

【表2】高速道路の新ETC割引料金(大都市近郊区間含む※休日の場合)

わたしは中年ライダーで、オートバイでの利用になるので車種の区分は「軽自動車等」。新ETC割引導入直前の3月22日にも三郷~土浦北間を往復したのだが、この日までは昼間の時間帯は休日昼間割引が適用され、この区間のETC割引料金は1,000円(軽自動車等)。それが今回、表2のように750円とさらに25%ダウンしたことになる。

地方部のようなサプライズはないけれども、大都市近郊区間を含むルートでも、新しいETC割引のメリットはやはり大きい。

都区内在住者にとっては首都高速の料金も気になるところ。常磐自動車道を利用するときは首都高速から常磐自動車道に入るなど、首都高速を通ることが多いからだ。首都高速はETC限定の日祝割引があり、これも3月29日の日曜日からこれまでの約2割引から、約3割引へと割引率がアップしている。

首都高速東京線の場合、通常料金700円が日祝割引で560円だったのが、500円にダウン。永福~高井戸、平和島~羽田などのETC特定区間で240円だったところはさらに200円にダウン、東京IC(東名接続)~池尻などのETC特定期間で400円だったところは350円にダウンと、それぞれ安くなっている。

ただし、首都高速道路は「日祝割引」なので土曜日は割引にならないところに要注意。また、「軽自動車等」の区分はなく、軽自動車、自動二輪車、普通車とも同料金だ。

休日の高速道路が手軽に利用できるようになったことはメリットだが、その反面、渋滞が予想される。3月に実施されたETC助成によって、これまで「高速道路は高いから」と一般道路を走っていた車がETCを装着して、どんどん高速を走るようになっている。新割引導入直前の3月22日に、常磐自動車道を走った印象では、連休最終日ということもあって、いつもよりも車多く感じだれたし、途中のサービスエリアもいつになく混雑していた。

これから高速道路で出かけるときは、渋滞しやすい時間帯を避ける、あるいは一般道路の裏道を研究するなど、渋滞対策が必要だろう。

3月30日からは地方部で平日昼間割引が導入され、平日のドライブも安い料金で高速に乗れるようになった。しかし、平日昼間割引は距離や回数に制限があるところは要注意。100kmを超える区間を走るときは、100㎞未満のインターチェンジで乗り直す必要がある。

平日は高速道路を利用する前に、高速道路各エリアの料金・ルート検索サイトなどで、安くなる距離や時間帯をチェックして工夫して利用したいところだ。

執筆者紹介 : 丸田潔氏

1952年東京都生まれ。76年早稲田大学文学部卒業。編集プロダクション勤務を経て90年フリーに。マネーライターとして生活情報誌、主婦向け雑誌、マネー誌などで活躍中。金融商品や保険に関する記事のほか、家計や節約の実例記事を数多く手がけ、今までに取材した貯蓄・節約体験の実例は1,000例を超える。近著に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』(永岡書店)