ツッコミどころ1 : 悟空はハイスクールに通ういじめられっ子な高校生

まずは何といっても主役である悟空の設定が原作とまったく違うところがポイント。この設定については映画公開前のわりと早い段階で公表されていて、「いくらなんでもそんなスパイダーマンみたいなノリにはしないだろう」「話題づくりのネタだよ」などと自分に言い聞かせていたのですが、見に行ってみると全部本当でした。

……正直、この設定にした時点でどう取り繕ってもドラゴンボールにはなり得ないわけですが、なんでまたこんなことになったのかが異様に気になるので、むしろハリウッドは映画本編よりも本作の企画会議をドキュメンタリー映画として公開するべきだと思いました。

オッス、オラ悟空! ハイスクールに通ういじめられっ子だ!

ツッコミどころ2 : 亀仙人が普通のオッサン

重要人物の一人である亀仙人。原作では亀の甲羅を背負い、サングラスをかけたおじいさんなのですが、本作での亀仙人はそこらへんの居酒屋で一杯ひっかけてそうなただのオッサンです。

原作の面影などは一切ない亀仙人(左)

これにはさすがに「完全に原作無視かい!」と心の中でツッコんでしまいましたが、そうかと思ったらこの亀仙人、バイクに二人乗りしたときにブルマの腰にわざと手をやって怒られるなど、エロい性格だけはしっかり原作通りでした。

ツッコミどころ3 : 謎の特殊能力を持った敵、マイ

今回登場する最大の敵はピッコロ大魔王なのですが、その部下にマイという女性がいます。演じているのは田村英里子。彼女のセクシーなボディーラインをやたら強調するぴったりした衣装に関しては「ハリウッド良い仕事するじゃん」と思いましたが、そもそもこのマイというキャラ、いったい何者なんでしょう……。

おそらく原作に登場するピラフの手下「マイ」が元ネタだと思うのですが、なぜピッコロ大魔王の部下として付き従っているのかとか、彼女の持つ特殊能力(戦った相手そっくりに変身できる)はいったい何なのかとか、そこらへんの説明が一切ないので、見ているこちらとしては最後まで「?」という状態でした。

チチに変身したマイVSチチの対決シーンには衝撃の結末が待ち受けているのでお見逃しなく!

ツッコミどころ4 : ヤムチャがただの一般人

何とヤムチャが登場するということで、どんな風に描かれるのかちょっとだけ期待していたのですが、彼は悟空とブルマが旅の途中で出会う単なる一般人として現れ、別に理由もなく勝手に仲間になります。……確かにヤムチャといえばドラゴンボールを代表する偉大なるヘタレではありますが、それでもいちおうZ戦士に名を連ねているわけですから、もう少し違う扱いでも良かったのでは……と思いました。

あと個人的には、ヤムチャよりもむしろクリリンの登場機会を作ってほしかったです。

ツッコミどころ5 : 悟空のファッションについて

ハリウッド版の悟空はわりとファッショナブルでかっこいい私服をたくさん持っているのですが(オシャレな革のジャケットを着てパーティーに行くシーンとかあります)、それでは悟空らしくない! と製作サイドも気づいたのか、「亀」マークでお馴染みのオレンジの道着を着るシーンが、あるにはあります。

……ただ、ストーリー的にはまったく着る必要のないところでわざわざ着替えて出てくるので、皆さんご覧になった際にはどうぞ思い切りツッコんでやってください。僕はそのシーンを見たときに映画館の椅子からずり落ちそうになりました

悟空(右)とブルマ(左)。どう見ても単なる現代の若者

――さて、とりあえず全部ツッコんでいくとこのレビューが終わらなくなるのでそろそろまとめに入ろうと思います。