俳優業以外の六角精児の姿

――歌手としてライブ活動もなさっていると聞きました。

六角「ええ、趣味のレベルなんですけどね。カバー曲中心で、オリジナル曲も少しあります。基本、弾き語りライブですね。都内のライブハウス中心に、呼ばれれば何処でも(笑)。山口県とか、地方でもこっそりやってます。チラシなんかも、僕が手書きで作ってるんですよ(笑)。昨年の6月には、都内でバースデーライブをやりました」

――ところで、六角さんはどんなプライベートを過ごされているんですか?

六角「パチスロ行ったり、飲み屋に行ったり、わりと普通ですね。僕、20年以上ずっと下北沢に住んでるんですよ。そこの付き合いというか、そういうものがかなりあって。だから昔から、仕事が終わったらとりあえず下北沢に帰って、そのまま近くの飲み屋でおっさん相手に酒を飲んで話するっていう感じですかね(笑)。あとはかなり鉄道が好きです」

――鉄でしたか! どういうタイプの鉄道オタクなのですか?

六角「車輌ですね。特にJR、旧国鉄車輌。旧国鉄の特急車輌が好きですね。485系とか489系とか、183系とか。そのあたりが大好きですね。電車で旅行して携帯で写真撮って、周囲の風景を見て、近くに温泉があったら入る。それがとても好きなんですよ」

――そんな、六角さんですが、今後の俳優としての希望や夢はあるんですか?

六角「『今後どうしたい』とか『どうなりたい』というのは特に無いですね。与えられた中で役者として出来る事を探して行きたいと思います」

――「与えられた中で役者として出来る事を探して行く」っていいですね。

六角「まあ、僕としては、役者の仕事とは相反するかもしれませんが、なるべく自意識を持たずに自然体でやっていければそれでいいかと……。街で『電車男』や『相棒』の役名で声をかけられる事が多いんですけど、"六角さん"と呼ばれる事はあまりないんです。そんな自分の微妙な立ち位置が、結構好きなんです(笑)」

「なるべく自意識を持たずに」と飄々と笑顔で語りつつ、与えられた役には全力で向き合うという信念を確かに感じさせてくれた六角精児。俳優として、これからも様々な作品で、印象深い演技を見せてくれるはずだ。

インタビュー撮影:中村浩二