仁王立ちになるだけでこの迫力

そして、元祖波動球の使い手、石田 銀。通称"師範"。怪物ぞろいのテニプリキャラの中でもトップクラスのパワーを持つプレーヤーであり、テニスボールで対戦相手を観客席まで吹き飛ばしたシーンはあまりにも有名です。

原作ではどう見ても中学生とは思えない老け顔だったのですが、ミュージカルではずいぶん若返って凛々しい雰囲気に。

最初は微妙に違和感がありましたが、原作同様の圧倒的な存在感、ドスの利いた喋り方、そしてあの名台詞「ワシの波動球は百八式まであるぞ」の迫力を完全に演じきるなど、見事な師範っぷりを見せてくれました。

この格好からテニスを連想できる人は、たぶんいないと思う

最後は、ダブルスで登場する金色小春一氏ユウジのペア。たぶん、今回のミュージカルで最も観客の記憶に残り続けるであろう二人です。

「大阪と言えば"お笑い"だよね」という、とても真っ直ぐな発想から生まれた"お笑いテニス"なる技(?)で青学(せいがく)を苦しめますが、それ以上に見ているこっちの腹筋が笑いすぎて苦しめられるのでご注意を。

それにしても、ここまで完成度の高い小春・ユウジペアを見ることができるとは思っていませんでした。個人的には今回のミュージカルのMVPです。

以上、5人の新キャラをご紹介しましたが、もちろん他にも魅力的なキャラがたくさん登場するので見逃さないように!

青学(せいがく)と四天宝寺だけじゃなく、意外なあの人も登場するかも?

大阪チームは会話自体が漫才!?

ミュージカルの真骨頂! 歌とダンスも完成度高し!

キャラクターの次に注目したいのは、やっぱり歌とダンス。 原作にもアニメにもない、ミュージカルならではの見せ場です。

青と黄緑色のコントラストが美しい

テニミュにはやたらかっこいい曲が多いので、僕もつい気に入った曲をiPodに入れて聞きまくっていたら、カラオケで歌詞を見ずに歌えるまでに成長してしまったわけですが、そんなことはともかく、今回のテニミュも相変わらず楽曲のレベルは高い!

じっくりと曲に耳を傾けて、お気に入りの一曲を探すという楽しみ方も良さそうですね。

青学(せいがく)が歌う曲はみんなかっこいいよね

学校によって歌もダンスも雰囲気ががらりと変わります

ちなみに四天宝寺の歌とダンスは、青学(せいがく)に比べて妙にコメディ色の強いものが多かったです。まあ……小春・ユウジコンビに加えて天然暴走キャラの金太郎を擁するチームなので、そうなるのは必然なのかもしれませんが。

注目のシーンはここだ! 原作に負けない演出を見逃すな!

ド派手な技の応酬が話題を呼んだ四天宝寺戦ですが、原作にはミュージカルでは再現できそうにない技もたくさんあるので、そのへんをどう演出するのか気になっていた人も多いはず。

結論から言うと、爆発とかそういう物理的に無理があるシーン以外はかなりこだわって再現されており、原作ファンも十分満足いく出来に仕上がっています。

一つひとつのシーンが丁寧に作りこまれています

特に、

  • 選手が観客席に吹き飛ばされるシーン
  • 才気煥発の極みの演出
  • 最後の勝負での演出

このへんはかなり表現するのが大変だったと思うのですが、テニミュの演出スタッフとキャストががんばったのか、かなりそれっぽく完成していました。

二人の対決の行方は意外な展開に……ラストの演出は必見!

――さて、「ミュージカル『テニスの王子様』」も気づけば全国大会編終了まであとわずかとなりましたが、その後は4月からの新シリーズ連載開始に合わせてさらに展開していくのでしょうか。

ミュージカルでしか表現できない面白さもあると思うので、ぜひこのまま続いてほしいですね。

(C) 許斐 剛/集英社・NAS・テニスの王子様プロジェクト
(C) 許斐 剛/集英社・マーベラスエンターテイメント・ネルケプランニング