いよいよ点滴の体験だ。受診の流れは、『TENTEKI 10』のカウンターでその日の体調に応じたメニューを選び、クリニックで医師による問診(問診料1,000円)を受けてから、約10分間の点滴を受けるという簡単なもの。専用のカウンターはドラッグストアかヘアサロンのような明るく清潔感漂う雰囲気。利用者の男女比も半々というから、男性が入りにくいと躊躇することもない。

受付では、問診表に当日の体調面などを記入

メニューは、ビタミンBやCを含む総合ビタミン点滴「ベーシックパック」(2,000円)を基本に、オプションで疲労回復の「ブルーパック」(3,000円)、肩こりや筋肉疲労に効果的なアミノ酸の「オリーブパック」(3,500円)、二日酔いの後におすすめの肝機能強化の「グリーンパック」(2,500円)などカラーで分けられた10種類のメニューから選ぶことができる。さらに、シーズンごとにベーシックと複数のメニューを組み合わせたセットメニューもあり、冬なら「風邪予防TENTEKI」(8,000円)、「宴会準備対策TENTEKI」(7,500円)などを用意。そして、ビジネスシーンに役立つ心身に活力を与えてくれる通年のセットメニュー「ビジネスTENTEKI」(7,500円)も人気だ。カラーを組み合わせて自由に選ぶというのは、なんとなくカフェで好きなコーヒーとスナックを選ぶような感覚だ。ベーシックだけでもストレス解消や疲労回復、肩こりなどの効能があるので、まずはオプションを追加せずに、ここから試してみるのもいいだろう。

色分けされている点滴のメニュー。選ぶのが楽しくなる?

受付ではサプリメントなども販売されている

アロマの香り漂うクリニックでリラックス点滴

カウンターで問診票に記入した後は、同じフロアのクリニックへ行き、診察を受ける。ところで、病院に行くと薬品のにおいや独特の雰囲気で、よけい調子が悪くなったような気がしたことはないだろうか? その点、東京ミッドタウンメディカルセンターのクリニックは優秀だ。ダークブラウンの木材を基調にした高級感溢れる空間に、ほんのりアロマの香りが漂う。ちょっとしたホテルのロビーのようで、ここなら病院嫌いの人でもリラックスできるだろう。

医師の問診で点滴成分へのアレルギーなどの問題がないかをチェックしてもらい、いざ点滴室へ。看護師に点滴を手際よくセットされ、約10分間の点滴を受けた。医師や看護師は常時傍にいてくれるほか、点滴中に不調があれば傍らのブザーでいつでも看護師を呼ぶことができる。いくら気軽とはいえ、針を刺す以上、きちんとした看護師がいるという安心感は必須。筆者も注射は得意じゃないが、「これなら」と思える看護師の慣れた手つきにホッとした。

初めての点滴はちょっと不安。でも手際よく、点滴をセットする看護師さんに安堵のため息

点滴をはじめてしばらくすると、周囲にビタミン臭のようなにおいが立ち込めてくる。しかし、これはビタミン成分を体内に取り込むことで、鼻の粘膜からにおいを感じているため。周囲の人にはほとんど感じられないそうだ。点滴台は木のパーテーションで一人ずつ分けられており、窓の外には東京ミッドタウンの中庭の緑やモニュメントを見下ろすことができる。取材時はちょうどクリスマスイルミネーションの期間中で、幻想的な光の点滅をぼんやり眺めているうちに、あっという間に時間が過ぎた。

点滴中は眼下に東京ミッドタウンのイルミネーションが眺められる

打ち終わった後は、なんとなく身体が軽いような……。効果の感じ方は人によって違い、直後から身体がラクになったり、夜、いつもなら疲れてくる時間に元気だったりするそうだが、筆者の場合は、点滴直後とその後2~3日間、疲れにくいような気がした。

「リピーターでいらっしゃる方の中には、毎週決まった曜日の仕事帰りに立ち寄られたり、ジョギングの効果を高めるためにトレーニングウエアの格好のままアミノ酸点滴を受けに来られたりする方もいます」(TENTEKI10広報担当)。すでに、ライフスタイルの中にうまく取り込んでセルフメンテナンスしている人も多いようだ。

東京ミッドタウンメディカルセンターとTENTEKI10の診察券。TENTEKI10の診察券(左)には前回利用日が記載されるので定期的に通いたい人にはありがたい

「疲れていながら何も対処できていない(結局、後で風邪をひいて寝込む)」「サプリメントでは効果が実感できない」「にんにく注射に興味はあるけど、どこに行けばいいかわからない(or探すのが面倒くさい)」という筆者のような方には、こうした施設は気軽に受けられて即効で元気になれる、繁忙期の救世主となるかも!? まずは明日の飲み会に備えて、試してみてはいかがだろう。