2009年1月6日より、日本テレビ系にてTVアニメ『はじめの一歩 New Challenger』が放送される。

『はじめの一歩 New Challenger』は「週刊少年マガジン」(講談社刊)にて連載中の森川ジョージのボクシングマンガ『はじめの一歩』を再度TVアニメ化するもの。第1シリーズにあたる最初のアニメ化は2000年から2002年にかけて放送され、2003年には金曜ロードショー枠でテレビスペシャルを放送。また同年には人気エピソードを映像化したOVAもリリースされている。じつに6年ぶりとなる今回のアニメ化は『はじめの一歩』の原作とアニメ版の人気の息の長さを示していると言えそうだ。

1月からスタートする『はじめの一歩 New Challenger』。再アニメ化を長年待ち続けていた人も多いのでは? 新シリーズは宮田対アーニー・グレゴリー戦からスタート

新シリーズは、テレビスペシャルにおいて描かれた一歩の初防衛戦の続きからスタートする形となっており、原作第36巻以降のストーリーが展開される。今回のシリーズでは原作で屈指の名勝負とされる、鷹村対ブライアン・ホーク戦が描かれることも明らかにされており、ファンからの期待は否が応にも高まるところ。

原作者とメインキャストが語る『はじめの一歩 New Challenger』

放送に先立ち、都内スタジオにてメインキャストと原作者の森川ジョージが顔を揃え、6年ぶりの再スタートに向けての心境を語った。

■森川ジョージ (原作)
アフレコスタジオから一歩役の喜安君の声がパッと聞こえてきたときに「あ、なんか懐かしいな」っていう、それが第一印象でしたね。またみんなが揃ってくれたと思ってすごくうれしかったです。いま僕が原稿を描いてるときも一歩を描けば喜安君の声が聞こえる。みんなの声がバチッとハマってて、原稿からもみんなの声が聞こえる、そういう感じですね。さっきまで家で描いていた原稿が宮田の試合のシーンで、なかなか描けなくて白紙で置いてきちゃったんですけど、アフレコを見たら宮田が動いてて「うまいなあ」と思いました(笑)。じつは自分では(一歩の必殺技の)デンプシーロールってどう動いてるかよくわかってないところもかなりあるんですけど(笑)、アニメを見て「あ、こう動くんだ」みたいに思ったりもします。今回のシリーズでは一歩の試合が少なくてですね、その代わり鷹村とブライアン・ホークの試合が入るんですけど、それは自分の描いたなかでも好きな試合なので、すごく期待していますね。絶対裏切りませんから、楽しみにしていてください。

■喜安浩平 (幕之内一歩役)
とてもうれしいですが、どこの現場よりも緊張しています。演技については意識的に変えようとは思っておらず、前回もずっとやらせていただくうちにどんどん自分と波長が合っていく実感があったので、今回も前回同様僕らしく、ひいてはそれが一歩らしく見えるのではないかと思ってます。6年も経つと前作がどんどん美化されて大きな存在になってまして、それに負けないようにとかいろんなことを考えちゃうんですが、すばらしい原作と、すばらしい共演者の方々、すばらしいスタッフさんに囲まれてますので、まちがいなく面白くなると思います。がんばりますのでぜひご覧になってください。

■小山力也 (鷹村守役)
こんな形で何年か経ってからやらせていただけるとは思ってませんでしたので、ありがたい限りです。鷹村はエネルギーの固まりみたいな人間ですからね。ある意味スーパーマンですから、自分の瑣末なところに落とさないように、スーパーマンになれるようそれを目指して常に高みへ自分を持っていきたいなと思っています。子供のころに見て忘れられない作品が誰しもあると思うんですね。今回もすばらしい素材をいただいて、すばらしい役をいただいて、すばらしい共演者の方に巡り合えたと思っていますので、そういうふうに思っていただけるよう、なんとかがんばりたいと思っています。

■高木渉 (青木勝役)
すごく支持されている作品で、それが終わってしまったのが僕も残念だったんですが、6年という月日を経て再会できることを僕自身もうれしく思ってます。お話としても終わってる時点からまた続いているわけですから、そのままの続きのつもりでやってます。『はじめの一歩』のストーリー性も僕はすごく好きで、ワクワクドキドキするところや、リングの上では戦いの緊張感といったところはぜひ期待してご覧ください。

■藤原啓治 (木村達也役)
ぜひ続きがないものかと思ってまして、原作が続いていることも知ってましたので、じつはこういう再演の機会もあるのではないかと予想してました(笑)。とてもうれしいです。6年ぶりですからね、続きということもありますので、変わらないとは言っても若作りはしつつ、見てる方が違和感なく入っていけるような形になればいいなと思ってます。時間帯は深夜とは言え、幅広い年齢層に支持してもらえる作品だと思っています。僕の計算によりますと、今回半年やったとしてもまたしばらく置いて第3期、というところまで描いてますので(笑)、今後の展開にも期待しつつ、アニメも一所懸命がんばりたいと思います。

左より木村達也役の藤原啓治、鷹村守役の小山力也、原作者の森川ジョージ、幕之内一歩役の喜安浩平、青木勝役の高木渉

このほか当日の会見に出席できなかった宮田一郎役の関智一と、宍戸淳監督からもコメントが到着したのであわせて紹介しておきたい。

■関智一 (宮田一郎役)
第1期が終わってから、周りの人たちに「第2期はいつ始まるのか」って何度も聞かれました。いま率直に感想をお答えすると、嬉しいです! (宮田を演じるうえで)変わった点はないです。でも、これから宮田が成長して行くにつれて何か変わるかもしれませんね。僕もずっと好きだった漫画なので、いち視聴者として第2期がとても楽しみです。みなさんも楽しんでください。

■宍戸淳 (監督)
原作が超人気作なので名作に泥を塗ってしまうのではないか、というプレッシャーを感じます。前作より良いものに仕上げられるよう、ほど良い緊張感を持って、毎話試合をしているかのように挑みます。(演出のポイントは)まず、リアルにボクシングを描くこと。次に、カッコよいシーンはカッコよく描くこと。そして、汗くさい、男くさい感じに仕上げること。実写のボクシングより面白い、といわれるように頑張ります。"萌える"アニメではありませんが、"燃える"漢(おとこ)のアニメです。ぜひ試合の緊迫感を楽しんでください。

また新シリーズの放送と同時期にTVアニメの第1シリーズがバップよりDVD-BOX化されて登場。Vol.1は1月21日、Vol.2は3月18日の発売で、価格はそれぞれ26,250円となる予定である。新シリーズとあわせて『はじめの一歩』のアニメ版を堪能するにはもってこいのソフトとなっている。

(C) 森川ジョージ/講談社・VAP・マッドハウス・NTV・D.N.ドリームパートナーズ