BAアンバサダーという資格を持ったBAの営業マンとして、やっていて良かったと思うことのひとつに、あるトラブルを解決した出来事があったそうだ。

加藤「ある日本人ビジネスでフライトされたお客様の荷物で、未着トラブルがありました。その荷物にはプラント工事に使われる部品が入っていて、すごく緊急かつ大切なものだったので、急いで経由地である空港各地に連絡を取り、荷物を探しました。BAのスタッフが"チーム"となって探したおかげでその人の荷物は見つかり、何とかプラント工事に間に合うことができました。BAには、お互いに困ったことがあると助け合う雰囲気がありますね。そこがBAのいいところのひとつです」

BAのいいところ……他にはどんなところがあるのか質問を続けた。

加藤「BAに入社したきっかけは、1987年にBAと合併したブリテッシュ・カルドニアン航空会社の新聞での社員募集を見つけたというものなんですが、とにかく飛行機が好きだったので、その募集していた航空会社に入り、今となります。BAに入ったポイントは、外資系の航空会社というところですね。外資系のいいところというのは休暇のスタイル。会社が社員のプライベートの時間を大事にしてくれるのが好きです」

(左)写真は2007年8月撮影。BA本社(ロンドン・ヒースロー地区)、通称"ウオーターサイド"1階のホールにて。(上)アンバサダーの仕事の際は、ユニフォームに収まるよう海外サイズの名刺入れ(日本のものより一回り小さい)を使用しているのだとか。ペンはこだわりの万年筆

最後に、プライベートを大事にしているという加藤さんへ、プライベートとBAのそれぞれで将来的にやりたいことについて尋ねてみた。

加藤「健康維持とストレス解消のために、30年以上フィットネスを続けていますが、これからもずっと続けていきたいですね。今、大学院生と大学生の子どもがいますが、彼らは私と同じ道を進もうと思っていないようですね(笑)。人生のアドバイスなどはしていません。でも、何にしても英語はやっぱり身に付けたほうがいいですよね。外国人とのコミュニケーションはやっぱり英語は必要なので。私自身も、イギリスの古い映画を良く見ます。イギリス映画はアメリカのアクション映画などと違って、言葉も多いので英語を習うにはいいと思いますね」

加藤「仕事で今後やりたいことは、そうですね、BAの"名誉アンバサダー"になりたいですね。今そういう称号はないのですが、今、英国では70歳をすぎたご婦人が、"歴代アンバサダー"としていらっしゃいます。私も生涯このBAユニフォームを着て、シャキッとしていたいですよ」

座右の銘は、「BETTER LATE THAN NEVER(遅くてもしないよりはマシ)」。加藤さんの仕事へのスタンスが窺える