フカセ釣りは、ウキを付けずにエサのついた針を潮の流れに乗せながら自然に落とし込む釣りだ。早朝か夕方であれば、この釣法でメバルが釣れているとのことだったが、日の高くなった時間帯では望みが薄い。それでも、何かしらの魚が釣れることを期待して、エサが着底したら引き上げてまた落とす、という動作を繰り返す。

ようやく釣れたのは、猛毒を持つヒガンフグ

ひとまず、生きたモエビ(淡水産の小さなエビ)をエサに使ってみたところ、針を通した部分を残してかじり取られてしまい、まったく針掛かりしない。そこで、アオイソメに変更してみたら、やっとのことで針掛かりさせることに成功した。しかし、上がってきたのはフグ。調子よく次々とイワシを釣り上げているAさんに対して、こちらが食べられないフグ1匹では話にならない。

こちらの不調を尻目に2匹掛けにも成功した絶好調のAさん

針の上に付けるオモリを少しだけ重いものに交換して、エサの落ちる速度を速くしてみると、ようやくフグ以外の魚が釣れるようになった。まず上がってきたのは、20cmを超えるメジナ。磯釣りでは人気のターゲットで、食べても美味しい魚だ。その次は、同じくらいのサイズのウミタナゴ。冬から春にかけてがシーズンの魚なので、こんな時期に釣れるとは思わなかった。その後も、同じサイズのウミタナゴやアナハゼなどがポツポツと釣れ続いた。

磯釣りの人気ターゲット、メジナ

冬や春には数釣りも楽しめるウミタナゴ

シロギスやカサゴ、アイナメも釣れてました

Aさんがイワシを20匹ほど、筆者がメジナ1匹とウミタナゴ3匹を釣り上げたところで、他の釣り人に何がヒットしているのかを聞いて回ることにした。隣で投げ釣りをしていた人はシロギス、灯台回りでぶっ込み釣りをしていた人は、カサゴやアイナメなどを上げており、当初狙っていたアジは、他のポイントでも釣れていないようだった。また、木更津沖堤防はクロダイの落とし込み釣りが盛んなポイントで、この日も何人かクロダイを狙う釣り人がいたが、釣果はいまいちとのことだった。

灯台付近ではカサゴが釣れていた

Aさんが釣ったトウゴロウイワシに1匹だけ混じっていたカタクチイワシ

1時間ごとにやってくる栄宝丸の13時の便で帰ることになり、この日の釣りは4時間で終了となった。当初の予定とは違った釣りになってしまったが、初心者のAさんが難しい状況の中でイワシを20匹も釣ったのだから、満足できる釣果と言えるだろう。筆者も、メジナとウミタナゴを釣って面目は保たれたと思いたい。

本日の釣果。初心者のAさんと2人、4時間の釣りとしては上出来だろう