イギリスの研究チームが行った調査で、紀元前1900年のシュメール人のことわざが世界最古のジョークであると認定された。

同調査は、英国のテレビ局・Daveチャンネルの番組内の企画で、Wolverhampton大学のユーモア研究家であるPaul McDonald教授を中心とする研究チームによって行われたもの。研究チームでは、ジョークを「明確な構成とオチがあるもの」と定義し、2カ月に渡り、歴史資料に残るジョークを調べ上げた。その結果、世界最古のジョークと認定されたのは、「夫のひざの上でおならをしない女性はいない」というシュメール人のことわざで、記録は紀元前1900年に遡る。また、紀元前2300年の古代バビロニア文明の時代の文字板にも同様のことわざが書き記されていることも確認されているという。

調査では、世界最古のジョークトップ10を合わせて発表。それによると、2番目に古いジョークは、「退屈しているファラオを楽しませるには? -漁網だけを身にまとった若い女性を乗せた船でナイル川を釣りに行かせればよい」という、紀元前1600年にエジプトで書かれた『ウェストカー・パピルス』に書かれたもの。3番目に古いのは「アダブからやってきた3人の水牛使いは喉が渇いている」という紀元前1200年から伝わるジョークとされている。

一方、イギリスに伝わる最古のジョークは、10世紀の古英語の詩を収めた書物『Exeter Codex』に記録されたもの。「男性の太ももにぶらさがっているもので、しばしば先に突かれた穴を突きたがるものは?-答えは『鍵』」というなぞなぞ形式の下ネタだ。

Paul McDonald教授は「ジョークは、あるときは問答のかたちをとったり、あるときはウィットを含んだことわざだったり、なぞなぞだったりと、時代とともにスタイルを変える。しかしながら、それらすべてに共通しているのは、タブーへの挑戦だったり、権威に対する反抗心だ。今回の調査で、ダジャレや下ネタというのが、とても古くから存在していることが確認された」と語っている。

また、DaveチャンネルのトップであるSteve North氏は「どの時代のイギリスのユーモアも、ウィットに富んだひやかし的な要素が見られる。古代のジョークが人間関係や下ネタといった共通した喜劇的な主題を持っている点が興味深い。伝達の仕方は異なるかもしれないが、主題の要素はまったく変化していないのだ」と分析している。