「キュート」という形容詞がぴったりのカレン

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』('89)以来、19年ぶりに復活した人気シリーズ第4弾『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』。前作から19年後の設定で始まる本作では、神秘的なパワーを持つ秘宝"クリスタル・スカル"を巡って、インディがソ連軍と争奪戦を繰り広げる。

ハリソン・フォード、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスのビッグ3の他、インディの相棒役に『トランスフォーマー』でブレイクした最もホットな若手俳優シャイア・ラブーフ、悪役にオスカー女優ケイト・ブランシェットなどの豪華スターが参加していることでも話題を集めている。更に往年のファンを喜ばせたのは、記念すべきシリーズ第一作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』('81)のヒロイン役カレン・アレンの再登板だろう。映画の日本公開前に来日した彼女に単独でインタビューを行い、お話を伺った。

27年ぶりにシリーズへ復帰したヒロイン

――ファンにとって、最も嬉しいサプライズは、カレンさんの再登板だと思います。久しぶりにマリオン役を演じた感想を教えて下さい

カレン・アレン「とても素晴らしい体験だった。何といってもまたこのシリーズに出てくれと頼まれ、スティーヴン・スピルバーグやハリソン・フォードと一緒に仕事が出来たことが嬉しかったわ」

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でのカレン。公開当時は30歳だった
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ハリソン・フォードは変わった?

――シリーズ第1作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』('81)で共演したハリソンと現在の彼に違いを感じたことは?

「そうね。彼の私生活は、かなり変わったと思うわ。『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の撮影中、彼は最初の奥さんと離婚した後だったの。とても辛そうで、気の毒に思えた。でも今は恋人キャリスタ・フロックハート(※『アリーmyラブ』でお馴染みの人気女優)と幸せな関係を築いている。昔に比べると、現在は落ち着いて、リラックスしているように感じたわ。だから、今回は以前よりはるかに仕事がしやすかったの」

――ハリソンは、ユーモアのセンスがあるそうですね

「ジョークと言うより、何かあった時に返す彼のコメントが面白いの! 例えば、スタッフが失敗して機材を倒し、ものすごい音がしたとするわね。ハリソンはその場所から離れた場所にいるのに"僕はなんともないよ。大丈夫だから心配しないで"なんてことを言ったりするの。皆、大笑いよ(笑)」

ファンにとってはたまらないカレンとハリソンの再共演

子どもを持つ女優として

――劇中で激しいバトルを繰り広げたケイト・ブランシェットは、カレンさんと同じく子供を持つ母親ですが、撮影中に交流はありましたか?

「時間がある時はいろいろとお喋りをして、彼女といい関係を築くことが出来たわ。彼女は現場に自分の子供2人やベビーシッターを頻繁に連れて来ていた。撮影が終わったらすぐ子供たちに会えるようにね。子供たちを連れて来るのは大変なことだけど、私も若い頃は同じことをしていたから、彼女の気持ちが良く分かったの」

今回が初来日だったカレンは、取材で忙しく、じっくりと観光出来ないことを残念がっていた。ちなみに好きな日本食は、「刺身、寿司の中ではロール(巻物)」だそう

――子育てと仕事を両立させている女優たちを取り巻く環境について、どう感じています?

「本当に人それぞれだと思うわ。子供の人数や年代によっても違うだろうし。出産後すぐに仕事復帰する人もいるし、長期の産休を取って子供と一緒に過ごす人もいる。私の場合は息子ニコラスが6歳の時に夫と別れたものだから、なるべく一緒にいてあげたいという思いがあって、家を空けられない状況が長く続いたの。その時期には、子供がいなかったら引き受けていただろうと感じるオファーがあったことも事実よ。でもそれはたいした問題じゃなかった。私は息子がいて幸せだし、比較的いいバランスで仕事をしていると思うわ」

――では、最後に世界中の映画ファンが注目している続篇の計画についてお聞かせ下さい

「スタッフ全員は、この映画が公開されるまで、観客の反応をすごく気にしていた。続篇について考える余裕なんて全くなかったから、まだ何の企画も立っていないの。それに、ストーリーを考えるジョージ・ルーカスは、アイデアを映画化するまでにとても時間がかかる人よ(笑)。すべて彼次第と言えるわね」

第一作と変わらぬ、はじけるような明るい笑顔が印象的だったカレン。日常的に行っているヨガが本作のアクションシーンに生きたようで、「ヨガをやっていると楽しいし、続けていると健康になって元気も湧いてくるの」とその効果を語ってくれた。年を重ねて輝きを増した彼女の勇姿をぜひスクリーンで堪能して欲しい。

カレン・アレン

1951年10月5日生まれ アメリカ、イリノイ州キャロルトン出身 56歳

『アニマル・ハウス』('78)で映画デビュー。スピルバーグによって、『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』('81)のヒロイン役に抜擢され、脚光を浴びる。その後はTV映画や日本未公開作に多く出演。大作への出演は『パーフェクト ストーム』('00)以来となる。プライベートでは、1997年にTV俳優ケイル・ブラウンと離別。現在はシングルマザー

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』は6月21日(土)、日劇1ほかにて全国拡大ロードショー

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インタビュー撮影:石井健