アニメ映画『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE II』のマスコミ完成披露試写会が10日、東京・六本木ヒルズで行われた。

ポスター画像から。5月24日よりTOHOシネマズ六本木にて先行公開が行われる。地方でも順次公開するそうなのであせらず待て!

『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE II~私を愛した黒烏龍茶~』は全編Flashで制作された劇場用アニメ。2007年公開の前作『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~』はロングラン上映が行われるほどのヒットとなり、2008年2月にはNY国際インディペンデント映画祭でアニメーション部門の最優秀作品賞と、国際アニメーション最優秀監督賞の2部門を受賞。海外でも爆笑を呼んでいる。

前作は宇宙を舞台に活躍した鷹の爪団が、今回大暴れするのはネットの世界。ハゲタカファンド、ブログ炎上といった時事ネタを織り交ぜつつ、総統と吉田君、レオナルド博士といったおなじみの鷹の爪団のメンバーが日本と、そしてFROGMAN作品で再三ネタにされている島根県の平和を守るため、謎の人物に立ち向かう。

『II』の注目ポイントはやはり作品を盛り上げるための企画の豊富さ。制作予算を使うたびに減少する「バジェットゲージ」や、なんと前作で結婚に至ったカップルもいるという「告白タイム」は引き続き採用され、加えて本作では謎の新システム「リラックスタイム」も登場する。

ネットの世界ももちろんFlashアニメ。日本がピンチのはずなんですが、総統以下鷹の爪団のメンバーは相変わらずマイペース

さらにもともと低予算で作られているFROGMAN作品を、劇場用にスケールアップさせるべく、制作費調達のためにネーミングライツ(命名権)を駆使。サブタイトルにはサントリーの黒烏龍茶が使われることになった。また映画の中で企業の商品を登場させる、プロダクトプレイスメントも積極的に活用されている。実在の商品や企業ロゴがあるときはネタとして、あるときはさりげなく登場してバジェットゲージを補充してくれるので見逃さないように。

本作では鷹の爪団に心強い味方が登場、それは巨大ロボ! 予算をかけているので、総統たちよりも書き込みが細かい

さらに本作では「声優がFROGMANばかり」という問題点を解消すべく、野沢雅子(『ドラゴンボール』悟空役など)、銀河万丈(『開運!なんでも鑑定団』ナレーションなど)、滝口順平(『ヤッターマン』ドクロベー役など)といった超大物声優をゲストに起用。劇中ではあり得ないほど豪華な参加の仕方となっているので、こちらも期待してほしい。

同時上映は『古墳ギャルのコフィー~12人と怒れる古墳たち~』。今回のテーマはずばり裁判員制度。これを見れば裁判員制度がわかる!?

主題歌はデビューアルバムがUKチャート初登場1位を記録した大物ロック・バンド「the HOOSiERS」が担当。そのほかにもギネス記録を目指して1万人の声優募集が行われるなど、観客を飽きさせないためのユニークな仕掛けがてんこ盛りとなっている。

以下は、FROGMAN(監督・脚本・キャラクターデザイン・録音・Flash・編集・声の出演)のコメント

「おかげさまで『II』を作ることができました。僕は十数年間実写の世界でやってまして、いま活躍している映画監督の先輩方がどこかで見てるんじゃないかという恐れがあって、前回は控えめに作ったところもあったんですが、みんなバレてるということがわかりまして(笑)、『半落ち』の佐々部清監督からも『お前えらいものを作ったな!』と怒られました。もうバレてしまったら今回は遠慮なく作っちゃえ、ということで前回やろうと思ったことを全部出しています。先輩方からは『俺たちは映像を作ってるんじゃない。気持ちを作ってるんだ』と言われて、僕はそれを信じてきました。Flashアニメーションという全然動かない、絵も下手なものでも、気持ちを作っているつもりで、『鷹の爪』はお客さんを笑わせてやるという意気込みだけで作っています。今回はクライマックスでは絶対アニメじゃないとできない表現もやってみました。そのあたりも楽しんでいただければと思います」

この人がいないと始まらない! 挨拶に立ったFROGMAN。2月公開の『菅井君と家族石 THE MOVIE』からほとんど間を置かずに新作公開となる。現状の完成度は9割5分とか

アニメという枠を超え、「とにかく笑える映画」として支持を集めるFROGMAN作品。今回も笑いに来た観客の期待を裏切らない内容となっている。『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE II~私を愛した黒烏龍茶~』は5月24日よりTOHOシネマズ六本木にて先行公開。5月31日より全国ロードショーが行われる。

(C)「秘密結社鷹の爪 THE MOVIE II」製作委員会