米ゼネラルモーターズ(GM)は、2008年ジュネーブモーターショーで、GMが開発した第4世代燃料電池技術を搭載した「GM ハイドロジェン4 (HydroGen 4)」を展示した。

GM ハイドロジェン4

GMの「ハイドロジェン4」は、「シボレー・エクイノックス・フューエルセル」の欧州バージョンで、量産モデルに近いプロトタイプ。440個のセルが連結された燃料電池スタックが搭載され、最大出力93kWを発揮。同期電動機により73kW/99psのパワーを発生し、0-100km/h加速は12秒。駆動方式は前輪駆動で、最高速度は約160km/hを記録する。圧力700barで水素を貯蔵するカーボンコンポジット製の圧縮タンクが3本搭載され、最大水素積載重量は4.2kg、航続距離は約320kmだという。

これら燃料電池プロトタイプ車の第一弾は、テストプログラムの一環としてすでに米国内を走行している。一般消費者に無償貸与することにより、実社会でのドライビングや水素燃料の補給といったあらゆる面におけるデータの収集や、フィードバックを得ることができるとしている。欧州でも、ベルリンで実施される「クリーン・エネルギー・パートナーシップ(CEP)」のデモンストレーションプログラムの一環として、今年、合計10台のハイドロジェン4が配備される。

GMヨーロッパのカール・ピーター・フォースター社長は、「水素を利用した燃料電池の開発は、環境保護を巡る論争から自動車を解放し、原油依存を減らしたいとするGMの取り組みを強調したものである。GMの最先端燃料電池システムで駆動するハイドロジェン4は、完全なゼロエミッションの実現に向けた画期的な新技術であると同時に、高い競争力を持つ自動車用燃料電池技術でもある。ハイドロジェン4は、先代モデルに比べ、日常における使い勝手や、動力面における耐久性が大幅に向上しており、快適性や安全性能面でも一般の量産車と変わらないレベルにある。」と語った。