日本医療データセンターは19日、自社独自の調査結果により、40代でメタボリックシンドロームに該当する人がその後20年間に要する医療費(自己負担分)は118万円と試算されることを発表した。

同調査は、同社が契約する健康保険組合に加入している30~50代の健診受診者56,662人のデータを、厚生労働省が示す「特定健診・保健指導プログラム」階層化基準により分け、さらに年代別、階層集団別に年間医療費の平均値からシミュレーションしたもの。

4月より開始される「特定健診・保健指導プログラム」では、3つの階層(情報提供、動機付け支援、積極的支援)にレベル分けをしている。腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上などの条件に該当し、肥満と生活習慣病罹患リスクが高い状態の人を「積極的支援レベル」と定義。同センターの調査によると、「積極的支援レベル」に該当する40代の年間医療費(自己負担3割分)の試算は、40代で4万7,490円、50代で7万1,219円との結果がはじき出された。このため、40代メタボの人がそのまま20年生活した際の医療費合計は約118万円という計算になる。同様のシミュレーションでは、「メタボリスク」が少ない人ほど医療費が少なくなることもわかった。

この結果を受け、北里大学医学部の佐藤敏彦准教授は「日頃から健康に留意しておくことが将来の医療費の節約になることが分かります。長期に症状を放置しますと脳疾患や腎疾患などの重症疾患を併発しやすくなりますので、健康な人との医療費の差はますます大きくなるでしょう」とコメントしている。

なお同社では、この結果を同社発行誌『Pep! eco-recipe(エコレシピ)』にて詳細に公開するとしている。

階層レベル別 年間医療費(自己負担3割分)

レベル 30代 40代 50代
情報提供レベル 20,473円 28,856円 52,587円
動機付け支援レベル 23,607円 36,817円 62,146円
積極的支援レベル 25,201円 47,490円 71,219円