“日本の台所”である、東京・築地の東京都中央卸売市場で12日、映画『築地魚河岸三代目』の製作発表が行われ、主演の大沢たかお、田中麗奈、森口瑤子、伊東四朗らが出席した。
『築地魚河岸三代目』は、築地を舞台とした同名コミック(小学館『ビッグコミック』誌にて連載中)の映画化作品。順風満帆な人生を送っていたエリート商社マンが、ひょんなことから築地市場で働くことになり、持ち前の明るさと好奇心で成長していくという物語だ。
主人公・赤木旬太郎を演じるのは、大沢たかお。実は祖父が築地市場で仲卸業を営んでいたというが「撮影時にもらった魚を自分の家で焼いてみたんですが、部屋は煙だらけになるわ、どこまで焼けてるのかもわからないし、ましてやサザエなんて焼いても、いつ食べていいのかわからず……」と、“魚初心者”をカミングアウト。それでも、撮影時の思い出を聞かれると「毎日、築地に通うのが楽しかった。築地で働く人たちが気さくに挨拶してくれたり、ある時は『どけっ!』なんて言われたりして……」と笑顔で振り返る。
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ここで働く人たちにとっては朝の4時ごろが一番"熱い"時間。朝早い時間でもしっかり演じようと、気持ちが引き締まりました |
また、仲卸の名店「魚辰」の一人娘で、旬太郎の恋人・明日香を演じる田中麗奈は、「とにかく、撮影後にもらえる魚が本当においしいんですよ! サケでしょ、マグロ、エビ、サザエ……。友だちや家族みんなで食べました」と魚尽くしの撮影エピソードを披露した。
そして、大沢は「今は、他人と距離を置いて付き合う時代と言われていますが、この映画ではケンカやぶつかり合いのシーンが多いんですよ。家族もそうだけど、人間関係の大切さを痛感する場所でもありました。皆さんには、人のつながりの大切さが伝わってくれればいいなと思います」と付け加える。
市場で働く粋な職人たちの人情ドラマを盛り上げる同作。松原信吾監督は「昭和の風景を、CGなんかで作った映画がありますが、そんなことをしなくても、ちゃんとココには昭和がある」と力をこめつつ「やっぱり日本人は魚ですよ」と締めくくった。
『築地魚河岸三代目』は、2008年6月全国ロードショー。