俳優・陣内孝則による監督作品『スマイル~聖夜の奇跡~』の完成披露会見が5日、都内で行われ、陣内ほか出演者の森山未來、加藤ローサらが出席した。

氷のクリスマスツリーをバックに撮影会が行われた

『スマイル~』は、プロのタップダンサーになることが夢だった主人公の修平(森山)が、恋人である静華(加藤)のいる北海道を訪れたことから物語が始まる。静華との結婚を望む修平に、静華の父親は、自分がオーナーである少年アイスホッケーチーム"スマイラーズ"の監督を命じる。監督に就任した修平は弱小チームを引っ張っていくが、いくつかの困難が待ち構えていて……。夢破れた修平の再生、"スマイラーズ"のメンバーとの友情や、仲間の小さな淡い恋を、実話も織り交ぜながらハートウォーミングに描く作品だ。

この日、報道陣の前で立った監督・陣内孝則は、熱弁を振い"陣内節"を連発。挨拶代わりに「俳優としては完璧な男なんですが、監督としては未熟なところがあります(笑)」と会場を笑わせながらも、陣内の息子がアイスホッケーのインターハイに出場した際、1人の選手の死を知ったというエピソードを披露。「この出来事が、この映画のエネルギーになっている」と語る。

"スマイラーズ"のオーディションの選考基準は? という質問に「縁故関係です(笑)。いや、あの、すみません! アイスホッケー界ってすごく狭くて……」と、しどろもどろ

さらに、森山について「この世代ではナンバーワンの俳優だと思います。ただ、僕の20代の時よりも華がないかな(笑)」と、加藤については「『のしあがっちゃるけん!』というより、笑顔を中心に演じていただいた」と加藤が主演したドラマ『女帝』の例を引き合いにするなど、2人を笑いで和ませた。

「"スマイラーズ"の人たちのテンションを下げさせないことにエネルギーを費やしました」(森山)

「未來君の仕事に対する姿勢は、すごく尊敬しています」(加藤)

一方、主演の森山と加藤は「監督は繊細に撮っていく人。でもその場にある熱やエネルギーを映像で表現できるんです。体育会系のノリで引っ張っていく人ですね」(森山)。「エキストラの人も含めて、監督自らテンションを上げてくれました。すごくメリハリがあって、スポーツの監督のようだった」(加藤)とベタ褒め。「僕、褒められると伸びるタイプなんで(笑)」と陣内は照れっぱなしだった。

会見の最後で行われた撮影会では、"スマイラーズ"の面々が登場し、陣内は久々の再会を果たすことに。時間が無い中陣内は、メンバーの一人ひとりに声をかける。その姿に、構想から8年かけて完成させた陣内の想いが詰まった『スマイル~』への情熱がじわりと伝わってくるようだった。

映画『スマイル~聖夜の奇跡~』は12月15日より全国東宝系にてロードショー。