最勾配を上った後に見るお天道様

ややきつい上り坂にも関わらず、「これが東京メトロ最勾配区間……」とありがたいような気持ちも芽生えたりで着々とゴールに近づいていく我々。再び新宿三丁目駅のホームに足を踏み入れ、そのままスタッフの誘導のままに歩いていくと地上にひょこっと出てきた。おぉ~、約2時間ぶりの地上。たった2時間だが、目が"地下慣れ"しており、お天道様が輝く空を直視できない。そんな我々ウォーカーたちを、スタッフが拍手をして出迎えてくれ、ちょっとした達成感。そして参加者たちは東京メトロからの記念品を手にし、新宿の街へと散って行った。

まぶしい! ゴールは新宿区新宿5-18-21付近。副都心線の地下の様子が一目でわかるジオラマ、建設機械の模型などが展示されている「13号線展示室」(開室時間9:00~17:00、入室無料)の前だ

ちなみに、開通後は、こんな顔をした電車が走ります(既に有楽町線などで活躍中)

副都心線の線路上を歩いた約2時間のイベントだったが、「このイベント、意外と貴重な体験かもな~」と改めて思うのだった。日本で新たに鉄道が開通すること自体が非常に珍しくなった現在。今後開通予定の「日暮里・舎人線」などのいわゆる新交通ではなく、一般的な電車が走る線路が東京のど真ん中で建設される光景は、もう見ることができないのではないだろうか。もし今後、身近なところで新しい鉄道が開通する機会に運よく巡りあうことができて、このようなイベントが開催されるとしたら、迷うことなく参加することをここでおすすめしておく。

地下には電車ではなくモーターカーが大集合。まさに"地下鉄モーターショー"状態

作業用のモーターカーたちにとって、こんなに大勢の人間たちに見られ、フラッシュを浴びる機会は、おそらく一生(?)に一度であろう

また今回のイベントでは、若い男女の2人組が目立ったのも非常に印象的だった。「朝から彼女と地下鉄ウォーキングデート」。案外イケてるかもと思ったのは僕だけであろうか……。そうした思い出画像を置いて、レポートを終わることにする。

今回の思い出画像。ヘルメットかぶって地図を見て、開業前の地下鉄デートを楽しむ男女