――戦隊シリーズはご存知でしたか?

「もちろん知ってました。小さいころ、『ジュウレンジャー』や『カクレンジャー』を好きで見ていました」

――『魔法戦隊マジレンジャー』のオーディションに参加してみて、いかがでしたか?

「もうワケ分かんなかったです(笑)。(現場に)行ったらセリフを渡され、かわいい女の子たちがいっぱいいて、『何だあ』と思って。『私、何しに来たんだっけ』みたいに頭が真っ白になったんですよ(笑)」

――このオーディションに参加した方は、ずいぶんと多かったそうですが……。

「一番多かったって聞きました」

――スーパー戦隊シリーズ史上最多の2,000人以上という話も聞きますね。それが、審査が二次、三次と進むと……。
「だんだんと人数が少なくなって、最後は女の子の部屋に10人ぐらいになりました」

――その中に、マジピンクを演じられた別府あゆみさんも……。

「いました。それに、メアを演じた北神朋美ちゃんも」

――ご出演になってみて、いかがでしたか?

「それまで、お芝居をするっていうことをすごく簡単に考えていたんですけど、実際に演じてみると、ひとつひとつが難しかったです」

――どういった点が難しかったんでしょう?

「やっぱり、戦隊のお芝居って、子どもに分かりやすく演じなきゃいけないっていうことですね。あと転がるときにも、ケガするくらいの勢いで一生懸命やらなきゃいけないとか」

――本格的なアクションは変身後の姿でスーツアクターの方がおやりになるにしても、人間のお芝居の部分でも、ある程度アクションはあるわけですね。火薬がドーンとか……。

「ありました。ナパームっていって、ものすごい大きいんですよ。袋にガソリンか何か入れて、バーンってやるんです。遠くにいても『熱っ!』って感じるんですよ。すごい怖いんですけど、やっぱりNG出せないじゃないですか。もう、一発勝負みたいな」

――お芝居の最中に熱がってるとこを出しちゃいけないわけですね(笑)。

「そのうちに慣れちゃって、みんなでしゃべってる後ろで爆発しても、『ああ、ナパーム……』みたいな(笑)」

――ほかには、どんなところが大変でしたか?

「昔ながらの江戸っ子気質なスタッフの方もいらして、すごく怖かったんです。『熊本へ帰れ!』って言われるくらい。それまで周りの大人の方にそんなふうに怒られたことがなかったので、そのときはもうビービー泣きました(笑)」

――この番組放送終了後も、関連したお仕事をなさいましたか?

「後楽園とかでショーをやりました」

――撮影の時との違いはありましたか?

「やっぱり生だから、子どもたちにホントに戦っているって思ってもらいたいし、自分も小さいころに憧れてた存在だから、台無しにするわけにはいかないと思って、すごく練習しました。かっこよく決まったときは、『よし』と思って。うれしいですね、やっぱり」

――マジレンジャーがピンチの場面になると、子どもたちが……。

「そう、『ガンバレー』って。敵にやられて倒れているときに聴こえるんです。『子どもってホントにいいな』って思いますよ」

――イベントって、進行のおねえさんが盛り上げるんですよね。

「真似してましたもん裏で。『みんなー! こんにちはー!!』とか」

――そういうときの子どもたちのリアクションについて、出演者の皆さんの話題になったりすることもあるんですか?

「みんなで公演が終わった後に、ご飯を食べながらしゃべったりとか。やっぱり子どもたちの反応は出てきますね、話の中に」