東京ドームは、2008年1月18日から26日の9日間、国内外のキルト作品約1,800点を展示する「東京国際キルトフェスティバル-布と針と糸の祭典2008-」を開催する。

2008年イメージキルト 制作:上田葉子

日本国内で行われるキルト展としては世界最大級の同フェスティバルは今年で7回目を迎える。アンティークキルトは幅広い年齢層の女性を中心に、年々注目度が高まってきており、開催を重ねるごとに入場者も急増。会期中には25万人以上もの入場者が訪れるという。キルトを愛する人々が集って交歓し、新しい情報を得るとともに、キルトの楽しさや素晴らしさを入場者全員で分かち合うイベントだ。

毎回、入場者の注目を最も集めているのが、プロ・アマ問わず国内外から幅広い層の"キルター"から作品が集まる日本最大級のキルトコンテスト「日本キルト大賞」だ。今回は、国内外から1,537点の力作が集まり、その中からテクニックやデザイン力に富む芸術作品から、実際に使ってみたいと思わせるような温かい作品まで、入賞・入選作品300点余りを展示する。尚、今回のフェスティバルから「優秀賞」を新設。賞をさらに充実させた。

昨年行われたフェスティバルの様子

メイン展示場の「新作キルトの競演~天空にあそぶ~『太陽』『月』『星』」にも注目。こちらではキルト作家82名が、「太陽」「月」「星」のいずれかのテーマに沿った作品を制作し、それぞれの作品世界を展示する。第一線で活躍する作家の新作が一堂に揃うのは、本フェスティバルならではだ。

前回の日本キルト大賞受賞作品「Flavor tea」

企画展示では、アメリカンパッチワークの代表的なパターン「ログキャビン」を用いたキルトを展示。世界的なキルトコレクター、シェリー・セガート氏監修の「ログキャビン」のキルト17枚が展示される。特に第16代アメリカ合衆国大統領リンカーンの葬儀の時に使用された布が一部用いられた「リンカーンの追悼キルト」は、アメリカ国外で初公開となる。同コーナーでは、日本の現代作家による「私のログキャビンワールド」も開催。ログキャビンの作品で定評のある日本のキルト作家4人(栄美子 戸田 ローブ、黒羽志寿子、郷家啓子、斉藤謠子)が、新作を含めたログキャビンのキルトの数々を展示するほか、各作家のブースにて制作デモンストレーションやトークショー、セミナーなどを随時行う。

リンカーンの追悼キルト
Collection of Gregg Townsend.

レッド&ホワイトのログキャビン
Collection of Patricia Cox.

アメリカンキルトの手法に影響を受けながらも、ウール地や民族衣装に使われる縞模様の織地などが大切に使われ、独特の温もりを伝えている北欧スウェーデンのキルト。こちらは本フェスティバル初登場となる。今回は、現国王であるカール16世グスタフ国王の1歳の誕生日に、姉にあたる王女たちが作った「王子のキルト」(スウェーデン国外初公開作品)やキルト研究家のオーサ・ヴェトレ女史の収集したアンティークキルト約25点を、各展示作品にまつわる物語と併せて紹介。さらに「スウェーデンの心のふるさと」といわれるダーラナ地方の民族衣装につけるポシェット(日本初公開)も約40点展示される。

スウェーデンのアンティークキルト

ダーラナ地方のポシェット