藤巻「いや、こんな話してますけどね、僕ら今やジブリの主題歌を歌う『藤岡藤巻』ですから」

――そうですよね。主題歌をお歌いになることになった経緯をうかがえますか?

CD「崖の上のポニョ」藤岡藤巻と大橋のぞみ

藤巻「もともと仕事でジブリさんとは関わりがあったんですね。最初は大橋のぞみちゃんていう8歳の女の子がデモテープを録ったんですけど、宮崎駿さんから『これ、おとうさんの声も欲しいね』っていう話が出て、たまたま僕が頼まれて仮歌を歌ったんです。そしたら『また別の人探すのもめんどくさいから、このままでいいんじゃないか』ってことで」

藤岡「コイツね、最近、この取材をずっと受けてるんで、おんなじこと20回ぐらいしゃべってるんですよ」

藤巻「(笑)」

藤岡「それのせいで、ものすごい今いい加減なことを(笑)」

藤巻「(笑)」

藤岡「昨日もね、3本ぐらい取材受けてるんですよ(笑)」

藤巻「スンマセン、今、生意気になってました、オレ(笑)」

藤岡「(笑)。ま、一言で言うと、ヒョウタンから駒でこういうことになりました、という」

――いずれにせよ、宮崎駿監督作品の主題歌ですからCDは売れて、夢の印税生活。『紅白』には出るは、大変なことになるんじゃないですか?

藤巻「いや、分かんないんですよ。宮崎駿さんて、よく気が変わる人なんで(笑)。『やっぱりやめようか』みたいな話になるかも……」

藤岡「天才肌の方ですから」

藤巻「これね、公開されるまで分かんないですよ」

――まあ、『風の谷のナウシカ』の例もありますからね……。

藤巻「それ、どういうのですか?」

――いや、宮崎駿さんの原作漫画が映画化される時に募集したイメージガールでグランプリを獲ったのが、現在女優としてご活躍の安田成美さん。その安田成美さんが松本隆さんの作詞、細野晴臣さんの作曲で主題歌として制作された「風の谷のナウシカ」を歌って歌手デビューしたんです。でも、その歌はイメージに合わないという理由で結局、劇中では使われてないんですね。

二人「(待ってましたと言わんばかりに)あっ、じゃ、それだそれ。僕らもそうなる(笑)」
――そんなにノリノリでいいんですか?

藤巻「いや、もう何があっても55年も生きてくるとですね」

藤岡「だからなるべくこう、ガッカリしないようにするために期待しなくなってるんですよ」

――「おやじはもう、あまり騙されない」と。

二人「騙されないです」