ホンダは26日、優れたパッケージングや低燃費、先進スタイルで好評のコンパクトカー「フィット(FIT)」をフルモデルチェンジし、発売する。希望小売価格は119万7,000円から178万5,000円。また、フィットをベースとした助手席回転シート車も設定された。価格は135万4,500円から167万4,750円。

フィット 1.3G

初代「フィット」は、"取り回しのよいボディサイズで室内は広い"、"燃費がよく、走りも楽しい"、"日常で気軽に使えるだけではなく、ロングドライブも快適に楽しめる"というコンパクトカー本来の目的に添ってつくられたモデル。2001年6月に日本で販売を開始して以来、現在までに世界約115ヶ国、累計200万台以上が販売されたという。2代目となる今回のモデルもコンセプトは同様としながらユーザーからの要望を反映させ、パッケージング、ユーティリティ、ドライビングを大きく進化させたとのことだ。

フィット RS

フィット 1.3G 助手席回転シート車

パッケージングは運転席・助手席下にガソリンタンクを置く「センタータンクレイアウト」を継承。スモールカーならではの取り回しの良さを損ねることなく、さらなる空間の広さと使い勝手を向上させた。全長は3,900mm(従来モデル比+55mm)、全幅は5ナンバーサイズの1,695mm(+20mm)、全高は従来モデル同等の1,525mmとした。一般的な立体駐車場にも入庫が可能。ホイールベースは2,500mm(+50mm)と長くなったが、前輪の切れ角を最適化し、従来モデル同様となる4.7mの最小回転半径を確保した。

フィット 1.3G インパネ

フィット 1.3L 室内

室内は、フロントピラーを前方に配置し、室内のレイアウトの工夫により、ミドルクラスセダンに匹敵する空間の爽快なキャビンを実現したという。左右の三角窓の開口面積を3倍(従来モデル比)にし、フロントピラーの幅を20mm細くする(同)ことで爽快な視界を確保したとのことだ。リアシートは座面幅や奥行き、クッション厚を拡大し、座り心地を向上。左右のヘッドレストを埋め込み式にすることで後方視界率も良好なものとし、シートアレンジも容易になった。

多彩なシートアレンジ

ラゲッジルームは最大で427Lの大容量

タンクをボディ中心に置くセンタータンクレイアウト

エンジンは新開発の1.3L(リッター)と1.5Lの2タイプを設定。1.3L i-VTECエンジンの最高出力は73kW(100PS)、燃費走行は24.0km/L。スポーティモデル「RS」(ロードセイリング)に搭載されるエンジンは、最高出力88kW(120PS)の1.5L i-VTEC。燃費は19.6km/L。トランスミッションはCVT(自動変速)、5速オートマチック、5速マニュアル(RSのみ)の3種。新開発のトルクコンバーター付CVTは、発進時の駆動力を高め、ハイレシオ化によりクルーズ走行時の燃費向上にも貢献している。

オプションのスカイルーフ

新設計の1.3L i-VTECエンジン(左)、トルクコンバーター付CVT(右)

ボディは構造や設計に工夫を凝らし、ボディ剛性・衝突安全性能を高めながらも従来と同等のボディ重量を実現している。また、吸音タイプの防音材をルーフやカーペットなどに採用することで、静粛性を向上するとともに軽量化にも貢献。サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット式、リアにはH型トーションビーム式を採用しているという。後席と荷室スペースを最大限に確保した。

高剛性ボディ説明図

イメージスケッチ

安全性能については、側面衝突時の頭部への衝撃を緩和するサイドカーテンエアバッグシステムを、前席用i-サイドエアバッグシステムとセットで設定。衝突時の自己保護性能向上とともに、相手車両への攻撃性や歩行者への傷害軽減に配慮したボディを採用している。ISO FIX対応チャイルドシート固定専用バーとテザーアンカー(リア左右席)を全タイプに標準装備(注: 旧ISO-FIX規格のため、純正ISO-FIXチャイルドシートのみ取り付け可能)。また、VSA(車両挙動安定化制御システム)をRSに設定した。

カラーバリエーション

環境性能については、全タイプ「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得。また、CVT車は「平成22年度燃費基準+20%」、G、Lの4WD車およびRSの5MT車は「平成22年度燃費基準+5%」、RSの4WD車は「平成22年度燃費基準」を達成している(一部オプション装着車を除く)。