作中のアイテムの重要性

――JAP工房とは以前にもお仕事をされていたとか

「ええ、『牙狼~GARO~』の時期ですね。ザルバ(指輪)とシルヴァ(ネックレス)で変身するという設定があったので、後々視聴者の方に気付いてもらえるようなアイテムを僕も着けていたほうがいいと思ったので僕からアイデアを出させてもらいました。その時既に時間は無いって状況で、急遽JAP工房さんにシルバーアイテムを仕込んでいただいたんです」

――その出来栄えは

「コスチュームにおいても言えることですが、匠の業って感じですよね。ザルバ、シルヴァで目の当たりにしましたからね。もう何かあったときにはJAPさん、みたいな(笑)。いつか僕のコンサート用コスチュームも作ってもらえたら嬉しいですよね」

――「MASKED RIDER HIBIKI SILVER RING 響鬼/斬鬼」をご覧になってどう思われましたか?

「響鬼はもちろんなんですが、斬鬼というキャラクター選定がいいですよね。主役ではないんだけど師匠という設定だったり、悲劇的な存在っていうのは決まって人気が出るんですよね。ファンの脳裏に焼き付く様な、いわゆるオイシイ役みたいな。1号における2号、2号におけるV3、その中でも語り続けられるライダーマンっておいしいなぁって思います。この企画がアリなのは、視聴者はもう玩具ではなく本物が欲しいってところを突いている点だと思うんですよね。わかる人にはそれとわかるけど、キャラクターを知らずに街で見かけたときには『何このドクロ?』っていう。デザインが良いっていうのが前提ですけど、響鬼のリングを知らない人が見たら進化した鬼のデザインに見えるかも知れないし、斬鬼なんかは騎士(ナイト)のようにも見えますからね。そういう部分が大きな魅力だと思いますよ」

「MASKED RIDER HIBIKI SILVER RING 響鬼」

「MASKED RIDER HIBIKI SILVER RING 斬鬼」

作品を面白くするための"冒険"は一生続けたい

――ファンの方へメッセージをお願いします

「では、この場を借りて。特撮ドラマ等にも色々と出させてもらっていますが、『まーた京本政樹、出たいって言ったんだ』とかって聞くんですけど、出たいといって出られたら苦労はしませんよね。一度共にお仕事をした面々が、それぞれが様々な経験を経てまた集うというのは現場で感じられる喜びなんです。沈むことなく努力してまた巡り合う、その喜びを感じるためにはその作品が面白ければ"悪"にも転身するし、コミカルな役にも挑戦する。これを僕は『冒険力』と言ってるんですけど何事にも冒険、挑戦する。これが僕の一生のキャッチフレーズです。そういう"裏側"に存在する出来事や想いをフィルムに焼き付けることで、良い役を演じることができると思って頑張っていますので、どうぞこれからも応援よろしくお願いします。……あ! あと僕が玩具のコレクターと思ってる方がたくさんいらっしゃるみたいですが、玩具は集めてません(笑)! うちに遊びに来る俳優さんとかお客さんとかにも言われるんですけど、みんなプレゼントしちゃうので何も手元に残ってないんですよ。趣味は車とバイクなんです」

怖いほどに二枚目なのに、とても気さくにインタビューに答えてくれた京本さん。現在、NHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』にヒロインの叔父・小次郎役で出演している。定職に就かず、儲け話と見れば飛びつき失敗を繰り返すというヤマ師の小次郎をどう演じているのか、京本さんの「冒険力」を目撃しよう。

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