最後に、メインイベントでもある「ハローワークマップ」作りが行われた。参加者はグループごとに1枚の紙を渡され、自分が最も興味・関心を持っている物事と、その興味・関心事を活かせる職業を星型の付箋に思いつく限り書き出し、1枚の紙に見栄えよくレイアウトしていった。

仕事マップを制作する参加者。皆表情は真剣そのもの

出来上がったハローワークマップを見る保護者ら

「ファッション」「アニメ」「ゲーム」「恋」「サッカー」など多種多様の興味・関心事を書いた星型の付箋の周りには、「漫画家」「サッカー選手」「デザイナー」といった憧れの職業から「どろぼう」「軍人」といった変わり種まで、多種多様な職業が書き出されていった。代田編集長によると「世にある職業は3,000種類以上。その中から自分に合った仕事を見つけるためにハローワークマップ作りは役立つ。こういう手法を自己分析という」とコメントした。

完成したハローワークマップの中でも、特にレイアウトが優れていたり、書き出した職業の多いチームには賞が贈られた

受賞チームの記念撮影

今回のイベント実施についてバンタンコミュニケーションズ社長の石川広己氏は、「中学生になると自分で未来を設計し、夢を現実化させていく時期に入ります。そして、就業に関する情報が身の回りに増えていきます。そういう中で我々は子供たちに、未来の仕事に関する情報提供を行っていこうと考え、『未来のしごと研究所』を立ち上げました。この研究所では、たとえば修学旅行の学生を対象に今回のようなイベントを行うことで、就業に関する意識啓発につなげていきたい。また、学校への出張イベントも用意しております。この研究所で私どもが一番伝えたいのは、大人が子供の夢を否定しないということ。『そんな夢、叶うはずがない』と大人が言っただけで、子供の夢はいとも簡単に崩れてしまう。そうではなく、保護者の方も子供の夢を認め、情報収集する姿勢を持って欲しいと思います」と話す。

バンタンコミュニケーションズ社長の石川広己氏

また、毎日コミュニケーションズの担当者は「受験で偏差値の高い学校に行けなかったというだけで、自分の将来の夢を実現する可能性が低くなってしまうということはありません。自分の夢は偏差値とは違うところで叶えられると伝えていくような事業を今後も展開していければ」とした。

参加した都内に住む中学1年生の少女(13)は、「ミュージシャンになりたいと思っています。今回のイベントに参加したことで、仕事への興味が今までより沸きました。これからも自分の夢に向かって頑張りたい」と笑顔を見せていた。また、同伴した母親も「今まで子供と将来の仕事について話す機会があまりなかったですね。今回のイベントを機会に、いろんなことを子供と話し合いたい」と語った。