どんな質問にも時にジョークを交え、明るくストレートに答えてくれる原田真二。だが今後の音楽活動に関しては真摯に熱い思いをぶつけてくれた。これからの30年のほうがもっとフレキシブルで活動が多岐に渡るのではないだろうか。大いなる飛躍を予感させていた……。

大人たちに届く音楽を作りたい

「最近よく考えるんですけど『大人こそ音楽が必要』なんじゃないかなって。音楽の力ってすごいでしょう。だから、"大人に届く音楽"を作りたい。僕は好奇心旺盛なのか、楽曲作りで煮詰まったことはないんです。ギターを持ったりキーボードの前に座ると自然と湧き上がってくるんです。『音楽を通して世の中に優しい気持ちを復活させたい』という思いだけ。それが僕の役目だと思ってますから、今後もブレることはありません。今回の記念アルバム『Feel Free』の中でも子供たちと一緒に何曲か歌っているんですけど、子供たちのピュアなエネルギーが大人の僕らをものすごく浄化してくれて、どこかのスイッチをひねってくれる。そうするとまたやる気が出てくる。頭で考えてもいい曲はできないんですよ、感じないと……。大事なのは出会いですね。人間、生まれてきて魂を成長させるものといえば、間違いなく出会いですから。だから旅をしていろんな世界を見たり、大自然と触れ合ったりすることも好きです。人もそうだけど、何かしらの出会いがありますからね。で、帰ってきて1人で曲を作る時間もいい。ちょっと遠くから自分を見つめ直しながら過ごす時間も大切だし。2000年から始めたチャリティーコンサート『鎮守の杜コンサート』の活動もそうなんですけど、企業人や政治家など、今までとはまた違う別ジャンルの方たちともお会いするようになって、世界が広がったんですよ。それによってファンの皆さんのことも改めてすごく大切に思えてきて『だったらもっと、とことん喜ばせてみたい』とも思うようになって……」

音楽こそが大人たちの気持ちを癒すんじゃないかな

「ずっと支えて下さったファンの方たちは僕を映す鏡。いろんなことを僕に気付かせてくれた。本当に有り難いですよ。感謝してます! だからこそ、これからはお返ししていかないとね。『鎮守の杜コンサート』でも訴えていることなんですけど、日本の和の文化を地球上に広めることが、今はとても重要なことなんじゃないかと思っているんです。大和民族の大きな和は、ハーモニーの和だと考えるとよく分かるんじゃないかな。僕ら大和民族は相手を受け入れるという優しい"和"の心を持っているハズだから、それは大切にしないと。利己主義なんてダメだよね。そんなものが子供たちに受け継がれちゃったら大変だし。だからこそ、心が疲れてしまった大人たちの気持ちを癒すのは、やっぱり音楽なんじゃないかな?」