原田真二がデビュー30周年を迎えた。1977年、キラ星のごとく現れ、デビュー曲『てぃーんず ぶるーす』でいきなりブレイク。立て続けにリリースした2ndシングル『キャンディ』、3rdシングルの『シャドー・ボクサー』も大ヒットした。そんなおなじみの曲を散りばめたファン垂涎の集大成ともいえる記念アルバムが、8月15日に発売。18歳のデビュー当時は人気ゆえにアイドルに祭り上げられ、デビュー3年後に自らアーティストへの道を歩み始めた。変わらない歌声と若々しい容姿……。穏やかな優しい笑顔も健在。彼にとって、いったいどんな30年だったのだろうか?

修行期間だった愛すべき30年……

8月15日にニューアルバムをリリースした原田真二

「ひとことで言うなら、この30年は僕にとって"修行期間"でしたね(笑)。気がついたら時間が過ぎていました。常に次のステップを考えて生きているので、ふだんはあまり振り返らないんですよ。今がスタートラインというか、やっと準備が整ったかなという状態で……。もちろんデビューしたころの成功があったからこそ今まで続けてこれたワケですから、あのアイドル時代も(笑)、大切な思い出です。ただ僕は広島出身ということもあり、デビュー前から音楽でやりたいこと、自分のテーマははっきり決まっていたんです。『音楽を通して世の中に平和のメッセージを伝えたい』、『優しさを届けたい』が僕の永遠のテーマですからね。特にこの10年で着実に活動が広がったし、海外での仕事も多くなりました。環境が整ったので、あとは自分が蓄えてきたものをいかに爆発できるか? それに尽きますね。30年の間にはいろんな壁を乗り越えてきましたし、痛い思いもしました。デビュー当時はアイドルそのものという感じで(笑)、ファンクラブの会員も3万人を超えていたそうです。あれからファンの方がパッと離れちゃった時期もありますし、今でも変わらずに応援して下さる方たちもいる。いろいろですよ。でも貴重な経験だったし、痛い思いをしなければ人の痛みにも気付けない。すべてが大切な過去。どの楽曲も好きだし、ライブでも必ず歌います。とくに『キャンディ』なんて大人の歌ですから、今でこそやっと歌えるなという感じ。18歳でどうやって歌ってたんだろう? 背伸びしてたのかなぁ(笑)」