クルマやバイクなどを購入する場合、車体代のほかにさまざまな税金や法定費用、さらに保険金などが必要になります。

クルマ(いわゆる自家用車)を購入する場合に必要な税金・費用には、「自動車税(軽自動車税)」「自動車重量税」「自動車取得税」「自動車リサイクル料」「車庫証明法定費用」「自賠責保険」などがあります。税金としては、本体価格と手数料の合計に5%の「消費税」もかかります。「任意保険」は法的にはなくてもかまいませんが、現実問題として入っておくべきです。

バイクを購入する場合は、「軽自動車税」「自動車重量税」「自賠責保険」などが必要になります。ただし125cc以下については、自動車重量税は不要です。消費税、任意保険についてはクルマと同様です。

以下で、それぞれについて解説しています。保険については別途「自動車保険」のページを参照してください。

上記以外にショップが請求するものとして、「車庫証明代行費用」「登録代行(名義変更)費用」「納車費用」などがあります。これはユーザーに代わってショップが行なうために発生する費用で、ユーザーが行なえば無料になるはずです。中でも、車庫証明は手続きが簡単なので自分で行うのも手です。登録は、これも手続き自体は簡単ですが、責任上、ショップが行うことがほとんどです。納車費用は引き取りに行くなど、交渉して節約することもできます。商談時に確認してください。また、「整備費用」として納車に必要な整備費が請求される場合もあります。これも実際に何を行なうか、ユーザーで可能なのか(そのぶん安くなるのか)などを確認しておきましょう。

自動車税/軽自動車税

排気量に応じて決まる税金で、クルマを購入する際に購入翌月から年度末(3月末日)までの分を一括で支払い、以降は毎年支払う必要があります。ちなみに普通自動車やトラックが「自動車税」で、軽自動車や二輪は「軽自動車税」となります。自動車税は都道府県に収める地方税で、軽自動車税は区市町村税です。自動車税を滞納すると、車検の更新検査が受けられなくなります。

2008年3月31日までに新車で新規登録された電気自動車、天然ガス(LPG)自動車、メタノール自動車などは、登録翌年のみ税率が最大50%安くなる「軽課対象車」となります。逆に、新車で新規登録された日から13年を経過したガソリン車やLPG車、または登録から11年を経過したディーゼル車は税率が10%増しの「重課対象車」となります

自動車税(四輪車:2007年4月1日現在)
区分 税額※1
乗用車(トラックなどは別) 1000cc以下 29,500円
1001~1500cc 34,500円
1501~2000cc 39,500円
2001~2500cc 45,000円
2501~3000cc 51,000円
3001~3500cc 58,000円
3501~4000cc 66,500円
4001~4500cc 76,500円
4501~6000cc 88,000円
6000cc以上 111,000円
軽自動車税(軽自動車、二輪車:2007年4月1日現在)
区分 税額
軽自動車(四輪) 乗用/営業車 5,500円
乗用/貨物用 7,200円
貨物/営業車 3,000円
貨物/貨物用 4,000円
軽自動車(三輪) 660cc以下 3,100円
小型特殊自動車 農業作業車 1,600円
特殊作業車 4,700円
原動機付自転車 50cc以下※2 1,000円
51~90cc 1,200円
90~125cc 1,600円
ミニカー 2,500円
二輪の軽自動車 126~250cc 2,400円
二輪の小型自動車 251cc以上 4000円

※自動車税、軽自動車税は、毎年4月1日現在の所有者に対して課税されます。
※自動車税は都道府県に納付、軽自動車税は市町村に納付します。
※1 2008年3月31日までに新車で新規登録された電気自動車、天然ガス(LPG)自動車、メタノール自動車などは登録翌年のみ税率が最大50%安くなる軽課対象車となります。新規登録から13年を経過したガソリン車やLPG車、または新車で新規登録された日から11年を経過したディーゼル車は税率が10%増しの重課対象車となります。
※2 原動機付自転車の50cc以下はミニカーを除きます。

自動車重量税

その名のとおり重量によって決まる国税で、購入時および毎回の車検時に支払います。当然、これを支払わなければ車検は受けられません。車検残のある中古車の場合は、次の車検までは払う必要はありません。また車検のない250ccクラスのバイク(軽二輪)は新車購入時のみ6,300円を支払います。

乗用車や貨物自動車の重量税は別表のとおりですが、基本的には乗用車の場合、0.5t(トン)ごとに6,300円、貨物自動車など(1・4・8ナンバー)は1tごとに6,300円加算されます。ただし2.5t以下の貨物自動車は少し割安になっています。

自動車重量税(2007年4月1日現在)
有効期間
1年 2年 3年
軽二輪 126~250cc 6,300円(新車取得時のみ)
小型二輪 251cc以上 2,500円 5,000円 ――
軽自動車 ※自家用 4,400円 8,800円 13,200円
乗用自動車 ※自家用の 3・5・7ナンバー車 0.5t以下 6,300円 12,600円 18,900円
~1.0t 12,600円 25,200円 37,800円
~1.5t 18,900円 37,800円 56,700円
~2.0t 25,200円 50,400円 75,600円
~2.5t 31,500円 63,000円 94,500円
~3.0t 37,800円 75,600円 113,400円
※重量が0.5t増加するごとに6,300円増加(1年)
貨物自動車 ※自家用の 1・4ナンバー車 1t以下 4,400円 8,000円
~2t 8,800円 17,600円
~2.5t 13,200円 26,400円
~3t 18,900円 37,800円
~4t 25,200円 50,400円
※重量が1t増加するごとに6,300円増加(1年)
特殊用途自動車 ※自家用の 8ナンバー車 1t以下 6,300円 12,600円
~2t 12,600円 25,200円
~3t 18,900円 37,800円
~4t 25,200円 50,400円
※重量が1t増加するごとに6,300円増加(1年)

※事業用車の重量税はこの表とは異なります。
※125cc以下の二輪車は、重量税が適用されません。
※1 乗用自動車の「3年」、貨物自動車の「2年」は新車時を想定したものです。

自動車取得税

軽自動車、小型・普通自動車を購入した時にかかる税金です。二輪車や特殊自動車(ブルドーザーなど)にはかかりません。購入時のみ関係し、車検時などには不要です。また、自動車取得税は都道府県に納付する地方税のため、地方で計算が異なる可能性があります。以下は目安として見てください。

新車であれば、普通の自動車で取得価額の5%、軽自動車で3%が自動車取得税となります(100円未満切り捨て)。また、低排出ガス基準を満たしている車両については、燃費基準が「+20%達成車」で30万円、「+10%達成車」の場合には15万円が取得価額から控除されます(電気、天然ガス、メタノール自動車を対象にした税率軽減措置は2007年3月31日で終了しました)。

中古車の取得税は実際の購入価格ではなく、新車時の価格から計算します。オプションなどを含めた新車価格(希望小売価格)に値引きを想定した0.9を掛け、さらに経過年数によって「残価率」0.1~0.681%を掛けたものが計算上の「取得価額」になります。この取得額に新車と同じ税率5%(軽自動車は3%)を掛けたものが自動車取得税になります。知人から無料でクルマを譲り受けたような場合も同じです。

たとえば新車時200万円の自動車を3年落ちで購入した場合、自動車取得税は「200万円×0.9×0.316(残価率)×5%(税率)≒28,400円」が自動車取得税になります(100円未満切り捨て)。

しかしもうひとつ、取得価額が50万円以下の場合は課税対象にならないという決まりがあります。たとえば上記の場合、計算上の取得価額は「200万円×0.9×0.316(残価率)=568,800円」ですから、これは課税されます。しかし同じ200万円のクルマが3.5年落ちだった場合、「200万円×0.9×0.261(残価率)=469,800円」となりますから、取得税は課税されないことになります。

残価率(※2007年4月1日現在)
経過年数 残価率
小型車
普通車
軽自動車
1年経過 0.681 0.562
1.5年経過 0.561 0.422
2年経過 0.464 0.316
2.5年経過 0.382 0.237
3年経過 0.316 0.177
3.5年経過 0.261 0.133
4年経過 0.215 0.100
4.5年経過 0.177
5年経過 0.146
5.5年経過 0.121
6年経過 0.100

※自動車取得税は、取得価額(購入価格)×5%(軽自動車:3%)で算出しますが、中古車の場合は、新車時の価格(希望小売価格)に対し、値引きを想定した0.9と、上記の残価率を掛けたものが計算上の取得価額になります。