キービジュアルから。衝撃的な原作のラストから37年を経た、まさかの復活に驚いたファンも多いのでは。放送時間は毎週変わる予定なのでご注意を

フジテレビ深夜帯にて、アニメ『スカルマン THE SKULL MAN』が28日よりスタートする。故・石ノ森章太郎氏のマンガを原作とするこのアニメは、スタイリッシュで強烈なインパクトを持つ髑髏の仮面のダークヒーローと、それに翻弄される人々のドラマを描く注目作だ。

原作となる『怪奇ロマネスク劇画 スカルマン THE SKULL MAN』は、1970年に『週刊少年マガジン』誌上で読み切り中編として発表され、後の『仮面ライダー』の原点ともなった作品。石ノ森氏が自らの膨大な作品群のなかでも、とくに映像化を熱望していた作品だという。1998年からは『コミックアルファ』誌にて石ノ森氏が原作、島本和彦氏が作画という形で再度マンガ化が行われたが、今回のアニメ化にあたっては、そのどちらとも違う新たな設定がなされており、原作のダークなムードを踏まえた上で、大幅なリファインが行われている。

今回のアニメ版『スカルマン THE SKULL MAN』は「架空の時代」の「架空の日本」が舞台。「影の首都」と呼ばれる、巨大企業の支配下に置かれた閉鎖的都市で、ルポライター・御子神隼人が髑髏の仮面の怪人、スカルマンの正体に迫っていくという内容。表題のヒーロー、スカルマンの正体は最後まで明かされないという異色のミステリー的趣向が凝らされ、大人の視聴者に向けたハードボイルドなエンターテインメント作品に仕上がっている。アニメ化に際しては、70年代末ごろから80年代初頭にかけての雰囲気が念頭に置かれており、キャラクター造形や美術面など、随所に昭和的な匂いを漂わせているのも見どころのひとつ。

キャラクターや世界観にはレトロな意匠が施されている。スカルマンを追う御子神(左)もいわゆるかつての「トップ屋」。ハンチング帽がいかにもそれらしい

夜空をバックに佇むスカルマン。プロモーション用に制作された等身大のスーツとバイクも、東京国際アニメフェアなどで好評を博していた

監督は近作に『VANDREAD』『ストラトス・フォー』などを持つ、もりたけし氏。シリーズ構成・脚本・スカルマン&GROデザインは、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー THE FIRST』といった石ノ森特撮作品にも参加した出渕裕氏が手がける。キャラクターデザイン&総作画監督は柴田淳氏(『ニニンがシノブ伝』『住めば都のコスモス荘』など)、音楽は鷺巣詩郎氏(『新世紀エヴァンゲリオン』『BLEACH』など)が担当。そのほかデザイン面を中心に豪華なスタッフ編成が組まれている。アニメーション制作は『鋼の錬金術師』『交響詩篇エウレカセブン』で知られるボンズ。

全13回予定で、東海テレビでは5月11日から、BSフジでは5月28日から放送開始予定。また関西テレビでも近日中の放送開始が予定されている。制作側は文字通りの「骨っぽい」本格派の娯楽作品を目指すとしており、放送に向けて期待が高まる。

(c)2007 石ノ森章太郎/スカルマン製作委員会