巴川コーポレーションは、同社が開発した通気性ヒーター部品がニコンの半導体露光装置に採用されたことを5月18日に発表した。独自材料を用いて精密な温度制御を実現し、露光機の生産性向上とコスト削減が可能になるとしている。

  • 巴川コーポレーションが手がける通気性ヒーター部品「iCas MCT」のイメージ

    巴川コーポレーションが手がける通気性ヒーター部品「iCas MCT」のイメージ

同社はステンレス繊維で構成された、紙状・多孔質の「ステンレス繊維シート」を発熱体とするヒーター部品「iCas MCT」を、工場配管の加熱向けなどに展開している。露光装置向けは今回が初めてで、ニコンとの交流のなかで開発が決定した。ニコンの露光機「NSR-S215D」向けに12月から販売予定だ。

  • ニコン「NSR-S215D」

    ニコン「NSR-S215D」

シリコンウエハーに微細で複雑なパターンを形成するために、半導体露光機内ではmK(ミリケルビン)単位の温度制御が不可欠とされる。わずかな温度変化も精度に影響を及ぼすため、高精度かつ高速な温度制御が必要になる。

そこでニコンが注目したのが「ステンレス繊維シート」だ。ヒーター部品自体に通気性を持たせ、加熱面に対して垂直方向に空気を通過させながら加熱ができる。ヒーター部品の熱容量を抑えつつ、高い温度応答性と昇温性能も実現している。

ステンレス繊維シートは抄紙技術によって製造され、紙のような多孔質性を持つ。このため柔軟性を活かして被加熱体の表面にぴったり追従させ、効率的に熱を加えることも可能になる。ニクロム線ヒーターと比較して約50%の省エネ効果が期待できるとする。

今後は半導体分野だけでなく、先端市場に対してステンレス繊維シートの特徴を訴求していく。