OpenAIが「ChatGPT」について、サービス開始以来最大規模の刷新を計画しているという。コーディングツールやAIエージェントを統合した「スーパーアプリ」への転換を図り、IPO(新規株式公開)前の収益拡大を目指す。

Codexを強化

中核となるのはコーディング製品「Codex」の強化だ。Codexの週間アクティブユーザーは今年2月のデスクトップアプリ公開以降、500万人超と6倍に急増している。

OpenAIはChatGPTを、無料ユーザーを高収益サービスへ誘導するための入口として位置づける方針で、CanvaやBooking.comなどパートナー企業のアプリへの導線もUIに組み込む。この刷新は数週間以内に順次展開される予定だという。

OpenAIのプロダクト責任者、Thibault Sottiaux氏は「目指しているのは、個人の生活と仕事のすべてにわたって支援できる、ひとつのパーソナルエージェントだ」と述べている。現在、OpenAIの企業顧客は売上の約40%を占めるが、同社は年内に50%に引き上げることを目標としている。

OpenAI社内では「チャットは終わった」との声も上がっており、質問に答えるチャットボット形式から、タスクを自律的に実行するエージェント型AIへの移行を見据えた戦略転換といえる。

この方向性は、BtoCよりBtoBを優先してきたAnthropicの戦略に近い。Leonis CapitalのJenny Xiao氏は「1年前、OpenAIの戦略は大きな夢を追うものだったが、Anthropicは収益化を優先していた。現在は、両社がIPOを目指す中で投資家が夢より利益を重視するため、戦略が収斂しつつある」と指摘。

「稼げるAI」路線への転換は、両社のIPOを前にした現実路線への対応、と分析している。英Financial Times(FT)が6月7日付けで報じている。