この半導体ニュースのまとめ

・2026年第1四半期の半導体装置販売額は365億ドルで過去最高を記録
・AI関連投資が市場をけん引し前年同期比14%増を達成
・台湾・韓国・中国が引き続き主要市場として成長を支える

SEMIは6月4日(米国時間)、世界の半導体製造装置市場統計(WWSEMS)レポートにおいて、2026年第1四半期の世界総販売額が前年同期比14%増、前四半期比1%増の365億5000万ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新したことを発表した。

AI需要が設備投資を押し上げ

今回の記録的な販売額をけん引したのは、AI関連分野からの高い半導体需要を背景とした投資の拡大にある。具体的には、先端ロジック、DRAM、先端パッケージングといった領域での生産能力拡張および技術アップグレードへの継続的な投資が市場を押し上げたという。

SEMIのプレジデント兼CEOであるAjit Manocha(アジット・マノチャ)氏は、「2026年の好調なスタートは、AIが主導する半導体の成長を支えるためのインフラ投資が継続していることを示している」とコメントしており、半導体装置市場が単なるシリコンサイクルに沿った市場の回復ではなく、AI需要の高まりに起点する構造的成長に入っていることを示唆している。

台湾・韓国が市場拡大をけん引

国・地域別に見ると、引き続きアジアが市場の中心となっている。トップは中国で前年同期比7%増、前四半期比16%減の109億9000万ドルで、韓国の前年同期比16%増、前四半期比26%増の89億3000万ドル、台湾の前年同期比24%増、前四半期比18%増の87億7000万ドルと続く。台湾は、先端ロジックおよび先端パッケージ需要の強さを反映したものと見られ、韓国もメモリ分野の需要の高まりが装置需要を押し上げているものとみられる。

  • 国・地域別の四半期別半導体製造装置販売額
  • 国・地域別の四半期別半導体製造装置販売額
  • 国・地域別の四半期別半導体製造装置販売額(単位:10億ドル) (出所:SEMI)

一方、中国は前四半期比で減速しているが、年間ベースでは依然として最大市場を維持している。政府による支援や国内の半導体製造能力の強化を背景に、大規模な投資が継続していることがうかがえる。

安定成長の北米、横ばいとなった日本・欧州

4番手は北米市場で、前年同期比12%増、前四半期比6%増の32億8000万ドルとしており、安定した成長を続けている。CHIPS法など政策主導の投資に加え、AI関連の設計拠点・製造強化の動きが装置需要を支えているとみられる。

5番手は日本で、前年同期比1%減、前四半期比24%減の21億6000万ドル。そして前年同期比43%増、前四半期比25%減の14億8000万ドルのその他地域、前年同期比9%増、前四半期比28%増の9億5000万ドルの欧州と続いている。

装置市場は先端プロセス/先端パッケージングがけん引

今回の結果から見える特徴は、半導体製造装置の需要のけん引役はAI市場で求められる先端ロジック/メモリ、先端パッケージングであり、従来のスマートフォンやPC向け中心の需要構造から、データセンター主導の投資構造へ移行していることを示している。

AIに対する需要はエージェントAI、そしてフィジカルAIと広がりを見せており、短期的なブームではなくインフラとしての認識が高まってきていると言え、そうした流れを踏まえれば半導体製造装置市場も装置市場も従来以上に底堅い成長が期待される。