日立製作所とIntelは6月5日、製造・エネルギー・モビリティなどの主要産業領域において、フィジカルAIや高度コンピューティング、次世代デジタルインフラの進展を推進するAX(AIトランスフォーメーション)加速に向けた戦略的協業を発表した。
半導体製造など5領域を軸に連携、量子技術の共同開発も
今般の戦略的協業開始により、半導体製造・量子コンピューティング・エネルギー最適化・カスタム半導体とエッジAIアプリケーション・ファクトリーオートメーション(FA)という5つの重点領域を軸に連携し、新たなソリューション創出と既存プロセスの最適化に取り組むとのこと。
半導体製造の領域では、日立が有する測長SEMおよびエッチング装置などから生成される高精度データを、複数装置から出力された計測・稼働データをクラウド上で一元管理できるプラットフォーム「ExTOPE」で収集・蓄積し、フィジカルAIによる予兆診断・保守最適化を行うことで、Intelの半導体製造における歩留まり向上およびTime to Market(TTM)短縮を実現するとともに、半導体の高品質化にも貢献するという。
また量子コンピューティングの領域では、日立とIntelの研究開発チームによる共同開発を強化し、量子技術を進展させて新価値創造につなげていく。エネルギー最適化の領域でも、Intelの主要半導体製造拠点に、基幹電力設備を運用するための「HMAX Energy」を導入していくとする。
一方でIntel側からは、日立の電力ソリューションをさらに改善するため、高耐圧半導体を日立に供給する計画とのこと。さらに両社は、それぞれが強みとする最先端技術を活かし、カスタム半導体やエッジAIアプリケーション、FAなどの領域における協業の可能性も検討していくとした。
日立とIntelは、前者が有するIT・OT・プロダクト製造に関する知見と、後者の高度なコンピューティング基盤やシリコンベースのプラットフォームを融合させ、次世代コンピューティング基盤および産業向けソリューションの開発を推進する。これにより、企業のオペレーション高度化・効率化を支えるとともに、より高度で強靭なインフラの構築に貢献するとしている。
日立の德永俊昭執行役社長兼CEOは今回の発表に際し、「フィジカルAIの登場が社会に大きなインパクトをもたらす中、本協業は、社会インフラを支えるさまざまな産業分野でのAXを加速させる」とコメント。一方でIntelのCEOを務めるLip-Bu Tan氏は「両社が協力することで、インテリジェントで実世界に実装可能なシステムの導入を加速させ、世界中のより多くの企業や産業にAIの恩恵をもたらしていく」とコメントを残している。