パイオニアは7日、カーオーディオ「カロッツエリア」の2010年モデル発表した。ラインナップは、1DINユニットが4製品に、パワーアンプが2製品、2wayスピーカーが1製品。
HVT技術を採用する世界初のスピーカー「TS-STH1000」 |
TS-STH1000は、2wayのサテライトスピーカー。採用されているユニットは、57mm×75mmの角形HVT(Horizontal-Vertical Transforming)ウーファーユニットに、33mm径ソフトドームツイーター(指向特性ウェーブガイド装備)。261(W)×105(H)×36(D)mmのスペースに取りつけ可能で、一般的にはCピラーやDピラーに埋め込む。こういった設置方法をとることにより、車外から見えないだけでなく、運転中に、リアビューなどを遮る心配もない「ステルススピーカー」となっている。この設置方法を可能にしているのが、TS-STH1000のウーファー部分に採用されているHTV技術だ。一般的なスピーカーでは、振動板の下にはボイスコイル、マグネットなどが配置される。そのため、スピーカーを薄型化すると(特に振幅の大きい低域再生用のユニットは)、ボイスコイルの振動に十分なスペースが確保しにくくなる。それを解決するのがHTV技術。HTV技術は、ボイスコイルとマグネットを、振動板と分離し、振動板の左右に配置、ボイスコイルは振動板と水平方向に振動し、この振動はリンクを介して振動板に伝えられる。これにより、ボイスコイルの振幅を制限することなく薄型化を可能にするというものだ。なお、TS-STH1000は、HTV技術を採用した世界初のスピーカーとなっている。HTV技術は、高音質化のための技術というわけではなく、あくまでも省スペース化、薄型化のための技術だ。同じ振動板を使用したスピーカーで、スペース的な制約がない場合、普通のスピーカーよりもHTV方式のほうが音質的に有利になるということはない。しかし、一般的な薄型スピーカーが採用されているようなケース(例えば、テレビの内蔵スピーカーなど)にこの技術を採り入れれば、音質を犠牲にすることなく薄型化が可能となる。
1DINメインユニットは、DVH-P550のみが光学ドライブにDVDを採用しており、他の3モデルはCDを採用する。DVH-P550/DEH-P650/DEH-550の3機種が、フロントパネルにUSBポートを装備する(DEH-350はUSBポートなし)。iPodやiPhoneを初めとするデジタルオーディオプレーヤーや、USBデバイスなどを接続することが可能だ。また、iPodやiPhoneを接続した場合には、メインユニット側からも、iPodやiPhone側からも操作を行うことが可能になる(DVH-P550/DEH-P650/DEH-550には、圧縮音楽の補間を行うアドバンスドサウンドレトリバーも採用されている)。なお、DEH-P650には、USBデバイスを接続した際に曲情報などを表示するための「ミュージックブラウザ」機能が搭載されている。1DINメインユニットに搭載されているアンプは「Power MOS FET 50W×4chアンプ」。
パワーアンプ2製品は、GM-D6400が最大出力150W×4、GM-D6100が最大出力400W×1のモデル。GM-D6400には「フルレンジRCA出力端子」や「ローパス&ハイパスフィルター」を装備。システム構築の自由度を高めている。一方のGM-D6100には、サブウーファー接続用に「ローパスフィルター」や「バスブースト機能」などが搭載されている。
DVDやUSBデバイスなど、さまざまなメディアをコントロール可能なメインユニット「DVH-P550」 |
USBデバイス内のブラウズも可能な「DEH-P550」 |
USBポートを搭載するスタンダードモデル「DEH-550」 |
USBレスのシンプルモデル「DEH-350」 |
システムアップのためのパワーアンプ。GM-D6400は150W×4、GM-D6100は400W×1の最大出力 |
品名 | 型番 | 発売予定 | 価格 | 推定市場価格 |
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サテライトスピーカー | TS-STH1000 | 2月上旬 | 4万2000円 | - |
1DINメインユニット | DVH-P550 | 2月下旬 | 2万6250円 | - |
DEH-P650 | 1月下旬 | 2万2050円 | - | |
DEH-550 | 1月下旬 | 1万5750円 | - | |
DEH-350 | 1月下旬 | オープン | 1万1000円前後 | |
パワーアンプ | GM-D6400 | 1月下旬 | 2万6250円 | - |
GM-D6100 | 1月下旬 | 2万1000円 | - |