主人公ジュノを演じたエレン・ペイジ

6月14日公開予定の『JUNO/ジュノ』で、主人公ジュノを演じる若手実力派女優エレン・ペイジが来日。7日、都内で記者会見を行った。同作品は、アカデミー賞脚本賞を受賞し、その他、作品賞、監督賞、主演女優賞にもノミネートされた今夏の注目作だ。

舞台は、アメリカ中西部のとある平凡な街。流行のファッションなどには興味がなく、1977年のパンクロックとB級映画が好きという、ちょっと変わった16歳の女子高校生・ジュノ(エレン・ペイジ)を軸にストーリーは展開する。ある日、好きではないが、やさしくてちょっと気になる男友達ポーリーと興味本位でセックスをしてみる。この体験がジュノと家族を、さらにはある夫婦の絆をも変えるきっかけになろうとは思いもよらず……。16歳に突きつけられた"妊娠"という大きな壁。一度は中絶を考えるが、親友や家族、里親を希望する夫婦に支えられ、ジュノは初めての出産に臨む。

(C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX

同作は、当初全米7館のみの公開だったが、あまりの反響の大きさに、最終的に全米2千館で上映され、その興行収入、1億5千万ドルを売り上げた。監督のジェイソン・ライトマン監督は、この"10代の望まない妊娠"という重くなりがちなテーマを、ポップでキュートなラブストーリーに仕上げてみせた。また脚本は元ストリッパーのディアブロ・コディ。ブログを読んだプロデューサーからのスカウトで脚本家デビューを飾り、エッジが効いた言葉選びから、日本で"女クドカン"と異名がついているとのこと。

オリジナル・サウンドトラック『JUNO/ジュノ』は、全米アルバムチャートで1位を獲得しており、中でもキャット・パワーの「シー・オブ・ラヴ」がエレンはお気に入りだという。

「ジュノ16歳。いちばん大人」というキャッチコピーのとおり、終始落ち着いた受け答えをしてみせた

記者会見に登壇したエレンはジーンズにスニーカーというラフなスタイル。用意された椅子に少し座りづらそうに腰をかけるのを見て、司会者が「椅子が不安定みたいですけど大丈夫ですか」と聞くと、「私、こういうの好きよ」と足を広げ、リラックスした様子で会見はスタートした。

「どうしてこの作品がヒットしたと思う?」と聞かれると「脚本が今まで読んだどの作品より完成されたもので、楽しいものだったの。最近若い女性を主役にした作品がなかったからそういうことも影響したんじゃないかしら」と、冷静に分析していた。

実際に母親になるのはまだ様子見とのこと

この映画でジュノを演じて学んだことは? と質問されると、「うーん、コンドームを使うことかな」と少し微笑みながら答えた。続けて、ジュノを演じて一番良かったことは「いろんな人に対して思いやりを持つことを学んだわ。ジュノが妊娠してしまったときに両親はもちろん喜んではいないけど、サポートをする。こういう題材の映画で、親の助けがあるというケースは少ないのでそこがすごく気に入っているの」と述べた。

また会見の後半には、特別ゲストとしてエレンと同い年の日本の若手実力派女優・石原さとみが登場し、エレンに花束を贈った。『JUNO/ジュノ』を見てエレンの大ファンになったという石原は感激した様子で作品への想いを語り、「もし『JUNO/ジュノ』を日本版でリメイクするなら、是非ジュノ役をやってみたい」と意欲を見せていた。

英語を勉強中だという石原がエレンに英語で質問する一場面も。「自分とかけ離れた役を演じるのはどうだった?」(石原) 「実際の自分と全然違うからこそ、楽しく演じられたわ」(エレン)

『JUNO/ジュノ』は6月14日、シャンテシネ、渋谷アミューズCQN、シネ・リーブル池袋ほか、より全国ロードショー。